この記事の主な参照ソース
- 出産育児一時金(協会けんぽ) — 一時金の金額(原則50万円)・直接支払制度の根拠
- 出産手当金(協会けんぽ) — 産休中の手当の期間・計算方法の根拠
- Q&A~育児休業等給付~(厚生労働省) — 育休中の給付率・支給要件の根拠
- 児童手当制度のご案内(こども家庭庁) — 児童手当の金額・支給月の根拠
- 妊婦のための支援給付(こども家庭庁) — 妊娠期の給付(計10万円)の制度根拠
「出産でもらえるお金って、いろいろあるらしいけど……結局うちは何を、いくらもらえるの?」——母子手帳と一緒に渡された案内の束を前に、そっと閉じてしまった経験はありませんか?
出産育児一時金、出産手当金、育児休業給付金。名前がそっくりなうえに、お金の出どころも申請の窓口もバラバラ。妊娠中のからだで一つずつ調べるのは、正直なかなか大変なんですよね。
そして大事なことがひとつ。出産前後にもらえるお金は、どれも「申請しないと受け取れない」ものばかりです。制度そのものは年々手厚くなっているのに、案内を読み切れないまま申請しそびれてしまうのが、いちばんもったいないパターンです。
この記事では、2026年7月時点の公式情報をもとに、妊娠中から産後までにもらえるお金を一覧表とタイムラインで整理しました。会社員・自営業・専業主婦(夫)といった働き方別の違いも、専門用語をかみ砕きながら解説していきます。妊娠中の方はもちろん、パパやご家族の予習にもどうぞ。
出産でもらえるお金の全体像|まずは一覧表でチェック

最初に結論からいきますね。出産に関わるお金は、大きく「妊婦さんなら全員が対象になるもの」と「働き方によって変わるもの」の2階建てになっています。この構造さえつかめば、案内の束はぐっと読みやすくなります。
まずは全体を一覧表でどうぞ。
| 時期 | 制度名 | いくら(目安) | 主な対象 | 申請先 |
|---|---|---|---|---|
| 妊娠中 | 妊婦健診の助成 | 健診14回以上分の補助券 | 妊娠届を出した妊婦全員 | 市区町村(母子手帳交付時) |
| 妊娠中〜産後 | 妊婦のための支援給付 | 合計10万円(5万円+5万円×赤ちゃんの数) | 妊娠届を出した妊婦全員 | 市区町村 |
| 出産時 | 出産育児一時金 | 1児につき原則50万円 | 健康保険・国保の加入者とその被扶養者 | 加入先の健康保険(多くは産院経由) |
| 産休中 | 出産手当金 | 月給のおよそ3分の2×休んだ日数 | 勤務先の健康保険に入っている本人 | 勤務先経由で健康保険 |
| 育休中 | 育児休業給付金 | 賃金の67%(181日目からは50%) | 雇用保険に入っている人 | 勤務先経由でハローワーク |
| 育休中(産後すぐ) | 出生後休業支援給付金 | 13%上乗せ(最大28日間・合計80%) | 産後パパ育休などの要件を満たす人 | 勤務先経由でハローワーク |
| 産後〜高校生年代 | 児童手当 | 月1万〜3万円 | 高校生年代までの子を育てる家庭 | 市区町村(公務員は勤務先) |
| 妊娠中〜育休中 | 保険料の免除 | 保険料の負担が一定期間ゼロに | 会社員・自営業それぞれに制度あり | 勤務先・市区町村・年金事務所 |
「全員が対象」のグループは、妊婦健診の助成・妊婦のための支援給付・出産育児一時金・児童手当の4つ。働き方や収入に関係なく受け取れる、いわば土台の部分です。
一方、出産手当金と育児休業給付金は「仕事を休む間の収入を補う」お金なので、勤務先の健康保険や雇用保険に入っていることが前提になります。ここが働き方によって差が出るところで、後半でくわしく整理します。
この記事でいちばん大事な原則
どの制度も、自動では振り込まれません。「妊娠届」「認定請求」「支給申請」など、必ずどこかで自分(または勤務先経由)の申請が入ります。迷ったら、この記事の一覧表と最後のタイムラインに戻ってきてください。
妊娠中にもらえるお金|妊婦健診の助成と妊婦のための支援給付

妊娠がわかったら、最初の窓口はお住まいの市区町村です。妊娠届を出して母子健康手帳を受け取るタイミングで、お金に関わる2つの制度が同時にスタートします。
妊婦健診の助成(補助券)
妊婦健診は、出産までに14回程度の受診が望ましいとされています。回数が多いぶん費用も気になるところですが、こども家庭庁の調査では、全国すべての市区町村で14回以上分の公費助成が行われています。母子手帳と一緒に受け取る「補助券(受診票)」がそれです。
ただし、助成される金額や対象の検査項目は自治体ごとに差があります。補助券でまかない切れない分は自己負担になることもあるので、「健診が全部無料になる」とは思い込まず、交付時の案内で範囲を確認しておくと安心です。
妊婦のための支援給付(合計10万円)
2025年4月からは、これまでの「出産・子育て応援給付金」が「妊婦のための支援給付」として法律に基づく制度になりました。金額は合計10万円で、2回に分かれています。
- 1回目(5万円): 妊娠届出のあとに申請
- 2回目(5万円×赤ちゃんの数): 妊娠後期〜産後に、自治体からの案内に沿って申請。双子なら2回目は10万円です
受け取り方は現金振込のほか、自治体によって電子クーポンやギフト形式のこともあります。保健師さんとの面談(伴走型相談支援)とセットで案内される仕組みなので、面談の案内が届いたら「お金の申請のタイミングでもある」と覚えておいてください。
なお、この給付は妊娠届を出した妊婦さんを広く対象とする仕組みで、残念ながら流産・死産となった場合も対象に含まれます。つらい状況でも受け取れるお金があることは、頭の片隅に置いておいてほしいポイントです。
出産のときにもらえるお金|出産育児一時金は原則50万円

「出産育児一時金っていくらもらえるの?」——答えは、1児につき原則50万円です(2023年4月1日以降の出産に適用)。正常なお産は病気ではないため健康保険が使えず、その代わりに出産費用をカバーするお金として支給されます。
ここがポイントなんですが、出産育児一時金は働き方を問いません。会社員でも、自営業で国民健康保険(国保)でも、配偶者の扶養に入っている専業主婦(夫)でも、加入している(または扶養されている)公的医療保険から同じように受け取れます。
金額と条件の細かいところは次のとおりです。
- 産科医療補償制度に加入している医療機関で、在胎週数22週以降に出産した場合: 1児につき50万円
- 在胎週数22週未満、または産科医療補償制度に未加入の機関での出産: 1児につき48.8万円
- 対象は妊娠85日(4か月)以降の出産で、早産や、流産・死産となった場合も含まれます
- 双子などの多胎は「1児につき」支給されるため、双子なら2児分になります
窓口でまとめて払わなくていい「直接支払制度」
多くの産院では直接支払制度が使えます。健康保険から産院へ一時金が直接支払われる仕組みで、退院時の窓口では50万円を超えた分だけ精算すればOK。逆に出産費用が50万円未満で収まった場合は、差額を健康保険に申請すると受け取れます。この差額申請、退院後のバタバタで忘れやすいので要注意です。
帝王切開になったら?
帝王切開などの医療処置には健康保険が適用されます。それでも自己負担が大きくなりがちですが、高額療養費制度の対象なので、限度額適用認定証(またはマイナ保険証)を提示すれば窓口負担を自己負担限度額までに抑えられます。予定帝王切開が決まっている方は、事前に加入先の健康保険で手続きを確認しておきましょう。
「出産費用の無償化」はいつから?
2026年5月には、正常分娩の費用を公的医療保険でまかない自己負担を無償とする新制度を盛り込んだ改正健康保険法が成立しました。ただし、2026年7月時点で開始時期はまだ確定していません。施行までは、これまでどおり出産育児一時金(原則50万円)の仕組みが続きます。「もうすぐ無料になるらしい」という話だけが先行しがちですが、いま出産を控えている方は現行制度で準備しておくのが確実です。
産休・育休中にもらえるお金|出産手当金と育児休業給付金の違い

名前が似ていて混同しやすいこの2つ、実は出どころも期間もまったく別のお金です。ざっくり言うと、出産手当金は「産休中」の、育児休業給付金は「育休中」の収入を補うお金。先に違いを表で押さえましょう。
| 項目 | 出産手当金 | 育児休業給付金 |
|---|---|---|
| お金の出どころ | 健康保険(協会けんぽ・健保組合) | 雇用保険 |
| 対象の期間 | 産前42日+産後56日(多胎は産前98日) | 産休明け〜原則子どもが1歳まで(保育所に入れない場合などは延長の仕組みあり) |
| 金額の目安 | 日給のおよそ3分の2 | 賃金の67%、181日目からは50%(上限あり) |
| もらえる人 | 勤務先の健康保険に加入している本人 | 雇用保険に加入し、原則直近2年間に12か月以上の勤務実績がある人 |
| 申請の窓口 | 勤務先経由で加入先の健康保険 | 勤務先経由でハローワーク |
| 国保・扶養の人 | 対象外(国保に同様の給付は原則なし) | 対象外(雇用保険未加入の場合) |
出産手当金|産休中は「月給の約3分の2」
出産手当金は、出産日(予定日より遅れた場合は予定日)以前42日から出産の翌日以後56日目までの範囲で、会社を休んで給与が出なかった日数分が支給されます。1日あたりの金額は「支給開始日以前12か月間の標準報酬月額の平均÷30日×3分の2」。つまり、ならすと月給のおよそ3分の2です。
産前産後をフルで休むと対象は98日分。ざっくりした目安ですが、月収2か月分強のイメージになります。予定日より出産が遅れた場合は、遅れた日数分も追加で支給されるので安心してください。
なお、退職を予定している方も条件を満たせば受け取れます(くわしくはFAQで解説します)。一方、自営業・フリーランスの方が入る国民健康保険には、出産手当金にあたる給付が原則ありません。ここは働き方でいちばん差が出るところです。
育児休業給付金|賃金の67%、180日を過ぎたら50%
育児休業給付金は、雇用保険から支給されるお金です。金額は休業開始時の賃金の67%(休業開始から180日まで)、181日目からは50%。厚生労働省の説明では、月額20万円程度の方なら、180日目までは月13.4万円程度、その後は月10万円程度が目安とされています(支給額には上限があります)。
受け取るには、原則として「育休開始前の2年間に、賃金支払基礎日数11日以上の月が12か月以上ある」ことが必要です。入社1年目の方や転職直後の方は要件に届かないことがあるので、早めに勤務先かハローワークで確認しておきましょう。
産後すぐの育休なら「80%」に|出生後休業支援給付金
2025年4月からは出生後休業支援給付金が新設されました。子どもの出生後8週間の期間内に取る育休(いわゆる産後パパ育休を含む)について、夫婦で育休を取るなどの要件を満たすと、最大28日間、賃金の13%が上乗せされて合計80%になります。
このとき、育休中は社会保険料が免除され、給付金には税金もかかりません。そのため80%の給付でも、手取りベースでは休業前の10割に近い水準になる場合があります。……こうして並べてみると、産後すぐの育休はかなり心強い設計ですよね。夫婦それぞれの取得日数など細かい要件があるので、取得を考えているご家庭は勤務先の担当部署かハローワークに確認してみてください。
産後にもらえるお金と保険料の免除|児童手当は年6回

産後のお金の柱は児童手当です。2024年10月分から制度が大きく拡充されて、所得制限が撤廃され、対象は高校生年代までになりました。「うちは収入的に対象外だと思っていた」という共働き家庭も、いまは全員対象です。
児童手当の金額|年齢別テーブル
| 子どもの年齢 | 第1子・第2子 | 第3子以降 |
|---|---|---|
| 0歳〜3歳未満 | 月15,000円 | 月30,000円 |
| 3歳〜高校生年代(18歳になったあと最初の3月31日まで) | 月10,000円 | 月30,000円 |
支給は偶数月(2・4・6・8・10・12月)に、前月までの2か月分ずつ。年6回の振込です。単純に月額を足し上げると、1人あたりの受取総額は0歳から高校生年代までで、ざっくり230万円前後にもなります。
第3子以降の「月3万円」も見逃せないポイントで、カウント方法も実情に合わせて見直されました。経済的な負担が続いていれば、22歳年度末までの上の子を含めて数えるルールです。大学生の長子+高校生+新生児という家族なら、新生児は第3子として扱われます。
手続きは、出生届とは別に現住所の市区町村への「認定請求」が必要です(公務員は勤務先)。申請が遅れた月分はさかのぼって受け取れないのが原則なので、多くの自治体が案内している「出生の翌日から15日以内」を目安に、出生届と同じタイミングで済ませてしまうのがおすすめです。
「もらう」だけじゃない、「払わなくていい」お金
実はこれ、意外と見落としがちなんですが——給付金と同じくらい家計に効くのが保険料の免除です。
- 会社員: 産休・育休中は、勤務先経由の申出で健康保険料・厚生年金保険料が本人負担分・会社負担分とも免除されます
- 自営業・フリーランス: 国民年金保険料が出産予定月の前月から4か月分(多胎は6か月分)免除。2024年1月からは国民健康保険料も同じ期間分が免除されるようになりました。どちらも妊娠中から届出できます(国民年金は予定日の6か月前から)
- 2026年10月からの新制度: 国民年金には育児期間の免除も加わります。実母は産前産後免除に続けて9か月間(合わせて最大13か月)、父親や養父母も子どもが1歳になるまで最大12か月間が対象で、所得要件はありません
うれしいのは、国民年金の免除期間が「保険料を納めた期間」として将来の年金額に反映されること。未納とはまったく扱いが違うので、対象になる方は忘れずに届け出てください。
働き方別にもらえるお金と申請タイムライン|よくある誤解も確認

ここまでの内容を、働き方別にまとめ直すとこうなります。ご自身の列だけ縦に読めば、もらえるお金がひと目でわかります。
| 制度 | 会社員(社保・雇用保険加入) | 自営業・フリーランス(国保) | 専業主婦(夫)(配偶者の扶養) |
|---|---|---|---|
| 妊婦健診の助成 | ◯ | ◯ | ◯ |
| 妊婦のための支援給付 | ◯ | ◯ | ◯ |
| 出産育児一時金 | ◯(勤務先の健康保険から) | ◯(国保から) | ◯(配偶者の健康保険から) |
| 出産手当金 | ◯ | ✕(原則なし) | ✕ |
| 育児休業給付金 | ◯(雇用保険加入が条件) | ✕ | ✕ |
| 児童手当 | ◯ | ◯ | ◯ |
| 保険料の免除 | ◯(産休・育休中の社会保険料) | ◯(国民年金・国保の産前産後分) | −(扶養内は本人の保険料負担なし) |
パート・アルバイトの方も、勤務先の健康保険と雇用保険に入っていれば「会社員」の列で読んでください。公務員の方は共済組合など窓口が異なりますが、おおむね同種の給付があります。いずれも最終的な可否は加入先への確認が確実です。
申請タイムライン|「いつ・どこで」を時系列で
| 時期 | やること・もらえるお金 |
|---|---|
| 妊娠がわかったら | 妊娠届を提出→母子手帳と健診補助券を受け取る/妊婦のための支援給付(1回目5万円)の申請案内を確認 |
| 妊娠後期(産休前) | 産院で直接支払制度の書類に記入/勤務先に出産手当金・育休給付の手続きを確認/(自営業)国民年金・国保の産前産後免除を届出(国民年金は予定日6か月前から可) |
| 出産〜産後すぐ | 出生届/児童手当の認定請求(多くの自治体が「出生の翌日から15日以内」を案内)/赤ちゃんの健康保険加入/出産費用が50万円未満なら一時金の差額申請 |
| 産後2か月ごろ〜 | 出産手当金の申請(産後56日を過ぎてからまとめて申請するケースが一般的)/妊婦のための支援給付(2回目)を自治体の案内に沿って申請 |
| 育休中〜 | 育児休業給付金の支給申請(多くの場合2か月ごと・勤務先経由)/児童手当は偶数月に振込 |
よくある誤解 3つ+1
- 「専業主婦だと何ももらえない」→ 誤解です。 出産育児一時金は配偶者の健康保険から受け取れますし、妊婦のための支援給付や児童手当は働き方に関係なく対象です。
- 「うちは所得が高いから児童手当は対象外」→ いまは誤解です。 所得制限は2024年10月分から撤廃されました。以前対象外だった家庭も申請すれば受け取れます(さかのぼり支給はされないため、未申請の方は早めに)。
- 「育休の給付金は自動で振り込まれる」→ 誤解です。 育児休業給付金は勤務先経由でハローワークへの申請が必要で、雇用保険の加入期間の要件もあります。産休前に勤務先へ確認しておきましょう。
- 「申請はいつでもできる」→ 期限があります。 たとえば出産育児一時金の申請期限は出産日の翌日から2年(横浜市などの案内)、高額療養費は診療月の翌月1日から2年。ほかの給付にもそれぞれ期限や案内時期があるので、後回しにせず、迷ったら窓口に相談を。
わからないことは、市区町村の窓口(妊娠・子育て関連)、加入先の健康保険、勤務先の担当部署、ハローワーク、年金事務所が相談先になります。「どこに聞けばいいかわからない」ときは、まず母子手帳をもらった市区町村の窓口で聞くと、関係先を案内してもらえますよ。
出産でもらえるお金のよくある質問(FAQ)
Q1. 出産育児一時金はいくら?双子の場合は?
1児につき原則50万円です(2023年4月1日以降の出産、産科医療補償制度に加入する医療機関で在胎週数22週以降の出産の場合)。在胎週数22週未満の出産や、産科医療補償制度に未加入の機関での出産は48.8万円になります。「1児につき」の支給なので、双子なら2児分を受け取れます。
Q2. 帝王切開でも出産育児一時金はもらえますか?
もらえます。出産育児一時金は分娩方法を問いません。それに加えて、帝王切開の手術費用などは健康保険が適用されるため、高額療養費制度の対象になります。限度額適用認定証やマイナ保険証を使えば窓口負担を自己負担限度額までに抑えられるので、予定帝王切開の方は事前に加入先の健康保険へ確認しておくと安心です。
Q3. 出産手当金と育児休業給付金は両方もらえますか?
対象期間が違うので、要件を満たせば両方受け取れます。出産手当金は産前42日+産後56日の産休期間(健康保険から)、育児休業給付金はその後の育休期間(雇用保険から)が対象です。時系列でいうと「出産手当金→育児休業給付金」とバトンタッチする形で、休業中の収入を切れ目なく補う設計になっています。
Q4. 退職する予定でも出産手当金はもらえますか?
条件を満たせば受け取れます。協会けんぽの案内では、(1)資格喪失日の前日までに被保険者期間が継続して1年以上あること、(2)資格喪失日の前日(退職日)に出産手当金を受けているか、受けられる状態であること、が条件です。注意点として、退職日に出勤するとこの継続給付は受けられなくなります。退職日の設定は在職中に加入先の健康保険へ確認しておきましょう。
Q5. パパが育休を取るともらえるお金はありますか?
あります。子どもの出生後8週間以内に4週間(28日)まで取れる「産後パパ育休」には出生時育児休業給付金(賃金の67%)が支給されます。2025年4月からは出生後休業支援給付金も加わり、夫婦で育休を取るなどの要件を満たすと最大28日間は13%が上乗せされて合計80%に。保険料免除と非課税の効果を合わせると、手取りベースで10割に近くなる場合もあります。
Q6. 流産・死産のときにも、もらえるお金はありますか?
あります。妊娠85日(4か月)以降であれば、流産・死産の場合も出産育児一時金の対象です。妊婦のための支援給付や、国民年金・国民健康保険の産前産後免除も対象に含まれます。心身ともにつらい時期なので、手続きはご家族に代わってもらうことも検討してください。自治体の窓口に相談すれば、必要な手続きをまとめて案内してもらえます。
Q7. 自分がいくらもらえるか、簡単に確認する方法はありますか?
産休・育休中のお金については、厚生労働省の「産休・育休中の経済的支援 かんたん試算ツール」で、給与額をもとに給付額の目安を試算できます。あくまで目安なので、正確な金額や要件は勤務先・加入先の健康保険・ハローワークで確認を。自治体によっては独自の助成(出産祝い金など)を行っていることもあるため、お住まいの市区町村のサイトもあわせてチェックしてみてください。
まとめ|「もらえるお金」は申請してはじめて受け取れる
出産前後のお金は、「全員がもらえる土台」+「働き方で変わる上乗せ」の2階建てで考えると整理しやすくなります。最後に要点をまとめます。
- 全員対象: 妊婦健診の助成(14回以上)、妊婦のための支援給付(計10万円)、出産育児一時金(1児につき原則50万円)、児童手当(月1万〜3万円・所得制限なし)
- 働く人の上乗せ: 出産手当金(月給の約3分の2)と育児休業給付金(67%→50%、産後すぐは最大80%)
- 払わなくていいお金: 産休・育休中の社会保険料免除、国民年金・国保の産前産後免除(2026年10月からは国民年金の育児免除も開始)
- 金額や条件は、加入している健康保険(健保か国保か)と勤務状況で変わる。この記事の金額は2026年7月時点の原則で、最終確認は必ず公式窓口で
- 出産費用の無償化は2026年5月に法律が成立したものの、開始時期は未確定。当面は出産育児一時金での準備が確実
妊娠・出産はただでさえやることが山盛りで、お金の手続きは後回しになりがちです。だからこそ、妊娠中の動けるうちに一覧表とタイムラインをパートナーと共有して、「誰が・いつ・どこに申請するか」だけでも決めておくと、産後のバタバタがだいぶ軽くなります。
もらえるお金をきちんと受け取って、その分の余裕を赤ちゃんとの時間にまわしていきましょうね。
困ったときの相談先
- 市区町村の窓口 — 妊娠届・妊婦のための支援給付・児童手当・国保/国民年金の免除
- 加入先の健康保険(協会けんぽ・健保組合) — 出産育児一時金・出産手当金・高額療養費
- 勤務先の担当部署/ハローワーク — 育児休業給付金・出生後休業支援給付金
- 年金事務所 — 国民年金の産前産後免除・育児免除
※本記事は2026年7月時点の公式情報にもとづく一般的な解説であり、個別の受給可否や金額を保証するものではありません。制度は改正されることがあります。最終的な要件・金額は、加入している健康保険・お住まいの市区町村・ハローワーク等で必ずご確認ください。