本文へスキップ
子供の成長・発達 執筆:fujiki

子どもがお友達を噛む…かみつきの原因と年齢別の対応 - やめさせ方と保育園での対処

「お友達を噛んでしまった」と保育園から聞いた日。きょうだいの腕にくっきり残った歯型を見つけた朝。──胸がぎゅっとして、「うちの子、乱暴なのかな」「私の育て方が悪いのかな」と落ち込んでしまう方は、本当に多いです。

でも、まず知っておいてほしいことがあります。1〜2歳ごろのかみつきは、発達の途中でよく見られること。決して「性格が乱暴」だからでも、「愛情が足りない」からでもありません。

とはいえ、噛まれたお友達やきょうだいのことを思うと、「どうにかしてやめさせたい」と思うのが親心ですよね。この記事では、かみつきの原因を年齢別に整理し、噛んでしまったとき・噛まれたときの対応、繰り返させない予防、そして保育園でのトラブルへの向き合い方までをまとめました。今日から試せるヒントを、いっしょに見ていきましょう。

この記事の主な参照ソース


まず知ってほしい|かみつきは「発達の途中」でよくあること 

親を安心させるメッセージカード型の図解。中央に大きな日本語コピー「噛むのは"発達の途中"。あなたのせいじゃない」。周囲に3つの吹き出しで「愛情不足ではない」「性...

かみつきに悩む前に、いちばん最初にお伝えしたいのはこれです。この時期に噛んでしまうのは、成長の一過程としてよくあること。多くの子が通る道であり、あなたの関わり方が原因ではありません。

育児情報サイト「いこーよ」で専門家は、1〜2歳くらいのかみつきについて「愛情不足とはまったく関係ない」「このくらいの年の子は、噛むものだと思っておいてほしい」と説明しています。噛んでしまうのは、気持ちのコントロールがまだ上手にできない上に、言葉が気持ちに追いついていないから。「取られてイヤ」「これがほしい」という感情を、どう表現すればいいのかわからず、つい口が出てしまうのです。

そして、いつかは落ち着きます。知育情報サイト「oriori」によると、3〜4歳ごろになると噛み癖は落ち着いてくるとされています。言葉で伝えることを覚え、気持ちをコントロールできるようになってくるためです。今がいちばん大変な時期かもしれませんが、出口はちゃんとあります。

まず手放したい、よくある3つの誤解 

かみつきについては、親を必要以上に苦しめる「思い込み」があります。ここで手放してしまいましょう。

  • 誤解1「愛情不足だから噛む」 … 1〜2歳では愛情の量とかみつきは関係ないとされています。抱っこもスキンシップも足りています。
  • 誤解2「性格が乱暴・意地悪だから」 … この時期の噛みつきに「お友達が嫌い」といった深い意味や悪意はありません。表現方法が未熟なだけです。
  • 誤解3「厳しく叱れば直る」 … 感情的に叱っても、恐怖が残るだけで根本の解決にはなりにくいもの。大切なのは「噛む以外の伝え方」を教えることです。

なぜ噛むの?年齢別の主な原因 

かみつきの原因を年齢別にまとめた3段テーブル図解。縦軸に「0〜1歳半」「1歳半〜2歳」「2〜3歳」の3行、横軸に「よくある原因」「背景にある気持ち」の2列。各セ...

ひとくちに「かみつき」といっても、噛む理由は年齢によって少しずつ変わります。「うちの子はどれに近いかな」と、心当たりを探してみてください。

年齢の目安よくある原因家庭での関わりのヒント
0歳〜1歳半ごろ歯が生えるむずむず(歯ぐずり)、なんでも口に入れる感覚遊び、力の加減がまだわからない歯固めや口に入れてよいものを用意。噛まれたら「痛いよ」と短く伝える
1歳半〜2歳ごろ言葉が気持ちに追いつかない、おもちゃの取り合い、「かして」が言えない自己主張気持ちを代弁し、「かして」「やめて」の言葉を教える。間に入って未然に防ぐ
2歳〜3歳ごろ自己主張がさらに強まる、疲れ・眠気・空腹、環境変化のストレス、かまってほしい気持ち生活リズムを整える、噛まずに待てたら褒める、落ち着ける場所をつくる
3歳以降も頻繁なら言葉での解決が定着してくる時期。続く場合は別の要因も考える園と連携し、気になるときは保健センター・発達相談へ(後述)

保育士向けメディア「マイナビ保育士」によると、生後6か月〜2歳ごろの噛みつきの背景には、言葉での意思表示の難しさ・歯茎のむずがゆさ・感覚遊び・周囲の関心を引きたい気持ち・環境変化によるストレスなどがあるとされています。

ここで見落としがちなのが、「かまってほしい」という気持ちや、生活の乱れです。眠い・お腹がすいた・疲れているといった状態は、気持ちの余裕を奪い、かみつきの引き金になりやすいもの。原因は一つとは限らず、いくつかが重なっていることも多いのです。


噛んでしまったとき・噛まれたときの対応ステップ 

かみついた瞬間の対応を左右2フローで示すステップ図。左側「噛んだ子への対応」に①ふたりを離す→②「これがほしかったんだね」気持ちを代弁→③「噛むと痛いよ」短く伝...

実際に噛んでしまった瞬間、頭が真っ白になりがちですよね。でも、やることはシンプルです。噛んだ側・噛まれた側、それぞれの流れを覚えておきましょう。

噛んだ子への対応 

  1. まず、ふたりの距離を取る … 続けて噛まないよう、そっと間に入って離します。
  2. 気持ちを代弁する … 「これがほしかったんだね」「イヤだったね」と、まず気持ちを受け止めます。頭ごなしに叱るより、ここが先です。
  3. 短い言葉で伝える … 「噛むと痛いよ」と、事実を冷静に、短く伝えます。長い説教は逆効果です。
  4. 代わりの方法を教える … 「かしてって言おうね」「やめてって言うんだよ」と、噛む代わりの伝え方をセットで教えます。

マイナビ保育士も、感情的に叱らず冷静に伝えること・なぜ噛んだのか一緒に考えることを大切なポイントとして挙げています。「これを言えば噛まなくていいんだ」と本人が気づけると、かみつきは少しずつ減っていくと考えられています。

噛まれた子への対応(応急処置) 

保育士向けメディア「ほいくis」によると、噛まれたときの応急処置は次のとおりです。

  • 流水できれいに洗う … まずは患部を清潔にします。
  • 冷やす … 保冷剤をタオルやガーゼで包み、直接肌に当てないようにして冷やします。炎症や痛みをやわらげます。
  • 気持ちに寄り添う … 「痛かったね」「びっくりしたね」と声をかけ、安心させてあげましょう。

皮膚が破れている、出血している、腫れがひどいといった場合は、無理せず小児科などを受診してください。


やってはいけないNG対応と、代わりのOK対応 

Ng対応とok対応を2列で対比した比較表イメージ。左列(赤系)「ng」に「いきなり怒鳴る」「長い説教」「噛み返す」「乱暴な子ね等の人格否定」、右列(緑系)「ok...

よかれと思ってやっていることが、実は逆効果……ということも少なくありません。やりがちなNGと、代わりのOK対応を並べてみました。

場面NG対応OK対応
噛んだ直後「ダメでしょ!」と感情的に怒鳴るまずふたりを離し、落ち着いて「噛むと痛いよ」と短く
気持ちの扱い頭ごなしに叱り続ける「これがほしかったんだね」と気持ちを代弁する
教え方長い説教/「乱暴な子ね」と人格を否定する「かしてって言おうね」と代わりの方法を教える
しつけと称して噛み返して痛みをわからせようとするやらない(恐怖と混乱を与え、誤学習につながる)
うまくできたとき何も言わない噛まずに待てたら「言えたね、えらい」と褒める

「いこーよ」でも、いきなり「ダメでしょ!」と怒るのはNGとされています。怒りのショックが強いと、その後に伝えたい大事なこと(噛まない・貸してと言う)が耳に入らなくなってしまうからです。

特に見落としがちなのが、できたときに褒めること。噛みたくなる場面でぐっと我慢できたり、「かして」と言えたりしたら、すかさず「言えたね!」と笑顔で認めてあげましょう。「叱る」より「できたら褒める」ほうが、長い目で見て効きます。


繰り返させないための予防のコツ 

かみつきを未然に防ぐ予防チェックリストの図解。チェックボックス付きで5項目「噛みやすい場面を知っておく」「おもちゃは多めに用意」「子ども同士の距離・スペース確保...

その場の対応と同じくらい大切なのが、「噛みそうな場面を、噛む前に減らしておく」こと。予防の視点を持つと、親のストレスもぐっと軽くなります

  • 噛みやすい場面を知っておく … おもちゃの取り合い、狭い場所での密集、眠い・疲れている・お腹がすいているときは要注意。「そろそろ危ないな」と思ったら、先に間に入りましょう。
  • おもちゃは多めに用意する … 「いこーよ」でも、複数人で遊ぶときはおもちゃをたくさん用意するとよいとされています。取り合いそのものが減ります。
  • 距離とスペースに配慮する … 子ども同士が近づきすぎないよう、遊ぶ広さを確保します。密集はトラブルのもとです。
  • 事前に声をかける … 「これがほしいの?」「じゅんばんこしようね」と、噛む前に大人が言葉にして気持ちを整理してあげます。
  • 生活リズムを整える … 睡眠・食事が満たされていると、気持ちにも余裕が生まれます。疲れやストレスをためない工夫も予防になります。

歯ぐずりが強い時期の子には、歯固めなど「噛んでいいもの」を用意するのも一つの手。口の刺激をそこで満たしてあげると、人を噛む機会が減ることがあります。そして大人が「かしてって言うんだよ」とお手本を見せてあげると、子どもは少しずつ言葉での伝え方を覚えていきます。


保育園でのかみつきトラブルとの向き合い方 

家庭と保育園が連携してかみつきに対応する様子を示す図。左に「家庭」、右に「保育園」のイラストを置き、中央を両向き矢印でつなぐ。矢印の上に「対応をそろえる」「情報...

集団生活が始まると、かみつきトラブルはどうしても起こりやすくなります。お友達との距離が近く、おもちゃの数にも限りがあるからです。これは園の管理不足でも、わが子だけの問題でもなく、発達の過程で多くの子に見られることとして受け止めるところから始めましょう。

噛まれた側の親になったときは、感情的になる前に、まず園に「どんな場面で起きたのか」「どんな処置をしてくれたのか」「今後どう防ぐのか」を落ち着いて確認しましょう。多くの園では、トラブルを未然に防ぐ責任は保育者側にあると考え、相手の子の名前をあえて伝えない方針をとっています。「誰に噛まれたか」を追及するより、園と一緒に再発を防ぐほうが建設的です。

噛んだ側の親になったときは、つい「申し訳ない」と自分を責めてしまいますよね。でも、家庭で子どもを強く叱りすぎる必要はありません。ほいくisも、噛んでしまった子には加害者意識が残りやすいため「心のケア」に配慮することの大切さを指摘しています。園での対応と家庭での関わりを「そろえる」ことがいちばん効果的。「園ではこう声かけしています」と教えてもらい、家でも同じ言葉で関わると、子どもも混乱しません。

送り迎えのときに、園での様子や家庭での工夫を共有し合う。この積み重ねが、遠回りのようでいちばんの近道です。


こんなときは相談を|受診・発達相談の目安 

くり返しになりますが、多くのかみつきは成長とともに自然と落ち着いていきます。過度に心配しすぎる必要はありません。ただ、次のようなサインが続く場合は、一人で抱え込まず専門家に相談してみましょう。

  • 3歳を過ぎても頻繁に噛む、なかなか減っていかない
  • 噛む・叩く・引っかくなどの他害が強く、本人や周りがたびたびケガをする
  • 言葉の発達がゆっくりで、気持ちを言葉で伝えるのが極端に難しそう
  • 集団生活に支障が出ている、家庭での対応に行き詰まっている

相談先は、かかりつけの小児科、市区町村の保健センター子育て支援センター児童発達支援センターなどがあります。神戸市の子育て応援サイト「こどもっとKOBE」でも、発達で気になることがあるときは、まず身近な保健センターや子育ての相談窓口に問い合わせるとよいと案内されています。乳幼児健診の場で相談してみるのも、良いきっかけになります。

「相談=発達障害の診断」ではありません。話を聞いてもらうだけでも気持ちが軽くなり、関わり方のヒントがもらえることがほとんど。困ったときの窓口として、気軽に頼ってみてください。

※本記事は医療アドバイスではありません。気になる症状がある場合は必ず医師に相談してください。


よくある質問(FAQ) 

Q1. いつになったら噛まなくなりますか?
個人差はありますが、言葉が育ってくる3〜4歳ごろに落ち着くことが多いとされています。言葉で気持ちを伝えられるようになるにつれ、噛む必要がなくなっていきます。今は「発達の途中」と捉え、焦らず関わってあげましょう。

Q2. 保育園で「お友達を噛んだ」と言われました。親としてどうすれば?
まず家庭で強く叱りすぎないこと。そして、園でどんな声かけをしているかを聞き、家庭でも同じ言葉で関わると効果的です。「かしてって言おうね」など、噛む代わりの伝え方を根気よく教えていきましょう。

Q3. 噛まれてあざになりました。手当てはどうすれば?
流水で洗い、保冷剤をタオル越しに当てて冷やします。皮膚が破れている・出血している・腫れがひどい場合は小児科などを受診してください。人の口の中には雑菌も多いため、傷がある場合は自己判断せず受診が安心です。

Q4. きょうだいを噛みます。どう対応すればいい?
おもちゃの取り合いや「かまってほしい」気持ちが背景にあることが多いです。一人ずつと関わる時間を意識してつくり、噛みそうな場面では先に間に入って声をかけると、トラブルを減らせます。

Q5. 叱っても全然やめません。私の育て方が悪いのでしょうか?
育て方や愛情不足のせいではありません。専門家も、1〜2歳のかみつきは愛情の量とは関係ないと説明しています。「この時期は噛むもの」と捉え、噛む以外の伝え方を根気よく教えていくことが近道です。

Q6. どこに相談すればいいですか?
かかりつけの小児科、市区町村の保健センター、子育て支援センター、児童発達支援センターなどがあります。乳幼児健診で相談するのも一つの方法。まずは身近な窓口に気軽に問い合わせてみましょう。


まとめ 

子どものかみつきは、「乱暴だから」でも「愛情が足りないから」でもなく、言葉が気持ちに追いつかない、発達の途中でよく見られることです。年齢によって理由は少しずつ変わりますが、多くは3〜4歳ごろに落ち着いていきます。

大切なのは、噛んでしまったらまず離して気持ちを代弁し、短く「痛いよ」と伝え、「かして」の言葉を教えること。そして、噛みそうな場面を先回りして減らす予防と、できたときにしっかり褒めること。感情的に怒鳴ったり、噛み返したりするのは逆効果です。

保育園でのトラブルは、園と対応を「そろえる」ことで乗り越えやすくなります。もし3歳を過ぎても頻繁だったり、他害が強かったりする場合は、一人で抱えず保健センターやかかりつけ医に相談を。今日からできる小さな工夫を重ねながら、「噛む」から「言葉で伝える」へ、いっしょに橋をかけていきましょう。


参考文献 

  1. 子どもの噛みつきの原因は?噛みつきを減らすアプローチ方法と保育士がすべき対応(マイナビ保育士)
  2. 子どもの「噛みつきトラブル」の対応と応急処置|ほいくis
  3. 愛情不足ではない?子どもの噛み癖を直す方法|いこーよ
  4. 子どもが噛むのには理由がある!?噛み癖の傾向と対策を解説!|oriori
  5. ひっかいたり、かみついたり…幼児期に攻撃的になってしまう子どもの特徴と対処法について|ベビーパーク
  6. 子どもの発達が気になる時、どこに相談したらいいの?|こどもっとKOBE(神戸市)

Copyright© 子供の名付け診断コラム , 2026 AllRights Reserved Powered by AFFINGER4.