「そろそろ1歳。周りの子はあんよを始めたのに、うちの子はまだつかまり立ちのまま…練習させたほうがいいのかな?」「初めての一歩を見たいけど、遅いと何か問題があるの?」——歩き始めの時期は、うれしみと心配が入りまじる時期ですよね。
歩き始め(あんよ)は、赤ちゃんの発達のなかでも特に個人差が大きいステップです。早い子は1歳前から歩き、遅い子は1歳半近くになってから。だからこそ、平均の時期を知っておくと、いま慌てなくていいことがぐっと分かりやすくなります。
この記事では、こども家庭庁が2024年12月に公表した「令和5年乳幼児身体発育調査」をベースに、ひとり歩きの平均時期と個人差の幅・あんよまでの発達の流れ・練習と環境づくり・ファーストシューズの選び方・「歩くのが遅い」ときの受診目安まで、小児科医監修ソースで整理しました。
この記事の主な参照ソース
- 令和5年乳幼児身体発育調査(こども家庭庁) — 13年ぶりに改訂された運動機能通過率の最新公式統計
- はじめての歩行〜発達や受診の目安〜(小児科オンラインジャーナル) — 歩行発達の段階と受診・1歳半健診の考え方
- 【小児科医監修】赤ちゃんが歩くのはいつから?(Sodate) — 正常範囲・歩き始めの兆候・見守り方
- 赤ちゃんの靴、いつから履かせる?(ミキハウス) — ファーストシューズを履かせる時期
- ファーストシューズの失敗しない選び方(キッズシューズラボ) — サイズ・形・買い替えの目安
赤ちゃんの歩き始めはいつから?平均時期と個人差の幅

まず気になるのは「何歳くらいで歩くのが普通なの?」という疑問だと思います。結論からお伝えすると、多くの赤ちゃんは1歳前後で歩き始め、1歳4〜5か月ごろには9割以上が歩けるようになります。
令和5年乳幼児身体発育調査は、こども家庭庁が令和6年12月に公表した最新の公式統計です。前回調査から13年ぶりの大型改訂で、いまの赤ちゃんの発達ペースを示しています。この調査による「ひとり歩き」の通過率は次のとおりです。
月齢別 ひとり歩き通過率(令和5年こども家庭庁)
| 月齢 | ひとりで歩ける赤ちゃんの割合 | コメント |
|---|---|---|
| 1歳未満 | 30.9% | 早い子は1歳前に開始。3人に1人ペース |
| 1歳1〜2か月 | 55.3% | 半数を超える。ここが目安の中心 |
| 1歳2〜3か月 | 83.0% | 8割超え。多くの子が達成 |
| 1歳3〜4か月 | 88.4% | ほぼ9割に到達 |
| 1歳4〜5か月 | 96.9% | 9割半ば。大半の子が歩く |
数字を見ると、「1歳になったのに歩かない」赤ちゃんはむしろ多数派です。半数を超えるのは1歳1〜2か月ごろで、1歳になった時点ではまだ7割近くの子が歩いていない計算になります。
小児科医監修のSodateでは、生後9〜18か月の間に歩き始めれば正常範囲とされ、早い子は生後8〜9か月、遅い子は1歳6か月ごろと、開始時期には半年以上の幅があると説明されています。この「幅の広さ」こそが歩き始めの特徴なんですよね。周りの子と比べて一喜一憂するより、その子自身のペースを見てあげるのが大切です。
つかまり立ち→つたい歩き→一人歩き|あんよまでの発達の流れ

歩き始めは、ある日突然できるわけではありません。つかまり立ち → つたい歩き → ひとり立ち → 一人歩きという順序で、少しずつバランスと脚の力を育てていきます。
あんよまでの4ステップ
| ステップ | 時期の目安 | どんな動き? |
|---|---|---|
| つかまり立ち | 生後7〜9か月ごろ | 家具などにつかまって立ち上がる |
| つたい歩き | 生後9〜11か月ごろ | 立ったまま家具を伝って横に移動する |
| ひとり立ち | 生後10〜12か月ごろ | 支えなしで数秒間立てるようになる |
| 一人歩き(あんよ) | 1歳前後 | 支えなしで前に足を運び、歩き出す |
Sodateの小児科医監修記事とベビーパークの解説をもとに整理しました。つたい歩きが安定し、家具から家具へ一瞬手を離せるようになると、あんよはもうすぐです。
「もうすぐ歩く」サイン
歩き始めが近づくと、次のような前ぶれが見られます。
- 支えなしで10秒以上立てるようになる(いちばん分かりやすいサイン)
- つたい歩きの途中で、一瞬手を離す
- 立った姿勢でその場で足踏みしたり、片足を上げたりする
- 歩いている大人の後を追い、靴に興味を示す
ここがポイントなんですが、歩行が近い赤ちゃんは「両手を高く上げて」歩き出します。小児科オンラインジャーナルによると、最初は両腕を高く上げた姿勢(ハイガード)から始まり、1歳2〜3か月ごろに腕が中間の高さに下がり、1歳6か月を過ぎると腕を下ろして小走りもできるようになるそうです。あの「バンザイ歩き」は、バランスを取るための自然な姿なんですよ。
発達の順序は前後することもあります。はいはいをあまりせずにつかまり立ちへ進む子もいるので、月齢だけでなく全体の流れで見ていきましょう。
あんよの練習は必要?「環境づくり」と見守り方のコツ

「練習させないと歩くのが遅れるのでは?」という声をよく聞きます。結論としては、無理に歩かせる練習は必要なく、赤ちゃんが「歩きたい」と思える環境を整えるのが基本です。
なぜ無理な練習はいらないの?
歩く・立つ力は、赤ちゃん自身がつかまり立ちやつたい歩きを繰り返すなかで育っていきます。脚や体幹の力、そしてバランス感覚が十分に育てば、赤ちゃんは自分から歩き出します。大人が焦って手を引っぱり続けても、その子の発達ペースが早まるわけではありません。
おうちでできる環境づくり
- つかまりやすい低めの家具を置く — ソファや頑丈なローテーブルを、つたい歩きの動線に
- 少し先にお気に入りのおもちゃ — 「あそこまで行きたい」という気持ちを引き出す
- 室内では裸足で過ごす — 靴下はすべりやすく、足裏で床を感じる練習の妨げに
- できたらたくさん褒める — 「立てたね、すごい!」の声かけで「動くのは楽しい」を育てる
手伝うときは「脇の下を軽く」
歩く練習を手伝うときは、脇の下を軽く支えるのがコツです。両手を上から持って引っぱると、赤ちゃんが自分でバランスを取る機会を奪ってしまいます。両手は自由に動けるようにしておくのが、実は近道なんですよね。
やってよいこと vs 避けたいこと
| やってよいこと | 避けたいこと |
|---|---|
| おもちゃで興味を引いて自発的に歩かせる | 手を引っぱって長時間歩かせ続ける |
| 脇の下を軽く支える | 両手を上からずっと持つ |
| 裸足で過ごし、床の物を片付ける | すべる靴下のまま歩かせる |
| できた動きをその都度褒める | 周りの子と比べて焦らせる |
あんよ期のよくある勘違い
- 「歩行器を使えば早く歩ける」 — 歩く力は赤ちゃん自身の動きの積み重ねで育ちます。歩行器で歩行が早まるわけではなく、使う場合は段差や階段からの転落に注意し、目を離さないことが大切です。
- 「はいはいを飛ばして立つと足腰に悪い」 — 発達の順序には個人差があり、はいはいが少なくても心配しすぎる必要はありません。気になる場合は健診で相談しましょう。
- 「早く靴を履かせれば歩くのが上手になる」 — 室内で歩けるようになる前に靴を用意しても、上達を早める効果は期待できません。ファーストシューズは歩き始めてからで十分です。
ファーストシューズの選び方と買うタイミング

歩き始めると気になるのがファーストシューズ(初めての靴)。買うタイミングは「室内で数歩〜10歩ほど、こけずに歩けるようになってから」が目安です。
歩き出す前に用意すると、履く前にサイズアウトしてしまうことも。キッズシューズラボによると、赤ちゃんの足は3か月で約0.5cm成長するため、早く買いすぎない・こまめに測り直すのが失敗しないコツです。ミキハウスでは、つかまり立ちのころから室内用のプレシューズで靴に慣れさせておく方法も紹介されています。
選び方のチェックポイント
| チェック項目 | 選ぶ目安 |
|---|---|
| サイズ | つま先に0.5〜1cmの余裕。実際に履かせて立った状態で確認 |
| つま先 | 大きく巻き上がった形。つまずきにくい |
| かかと | しっかり支える硬さがある |
| 履き口 | ハイカット+ベルトで足首と甲をフィットできる |
| ソール | 薄くてよく曲がる。裸足に近い感覚 |
| 重さ | 軽いもの。足の動きを妨げない |
サイズは大きめを買うとかえって歩きにくく、転びやすくなります。ぴったりを選び、3〜4か月に一度は足のサイズを測り直して買い替えるのが基本です。店頭で足を計測してもらえるお店を利用すると安心ですよ。
「歩くのが遅い」と感じたら|受診・相談の目安

「1歳を過ぎたのに歩かない…」と不安になる気持ち、よく分かります。ただ、これまで見てきたとおり、1歳の時点ではまだ歩いていない子のほうが多数派です。過度に心配しすぎず、次の目安を落ち着いて確認してみてください。
月齢別 相談を考える目安
| 状況 | 対応の目安 |
|---|---|
| 1歳で歩かない | 様子見でOK。半数以上はまだ歩いていない |
| 1歳3〜4か月で歩かない | つかまり立ち・つたい歩きが順調なら見守り。気になれば健診で相談 |
| 1歳6か月で歩いていない | 小児科・1歳半健診で相談を |
| つかまり立ち・つたい歩きも見られない | 月齢を問わず、早めにかかりつけ医へ |
| 手足の動きが左右で極端に非対称 | 速やかに小児科を受診 |
小児科オンラインジャーナルによると、1歳6か月で歩行を開始していない場合は、念のため小児科医の診察やフォローアップを受けることがすすめられています。日本では母子保健法により各自治体で1歳6か月健診が行われており、歩行の状況はこの健診で確認されます。気になることはメモして持っていくとよいですよ。
こんなときは早めに相談を
- 1歳6か月を過ぎても歩く様子がまったくない
- つかまり立ち・つたい歩きなど手前の段階も見られない
- 全身の力が抜けて、抱っこすると体が垂れ下がる
- 手足の動きが片側だけ極端に少ない
- 目線が合わない・呼びかけに反応が薄い
なお、早産で生まれた赤ちゃんは「修正月齢(出産予定日からの月齢)」で見るのが一般的です。生まれた日からの月齢では遅く見えても、修正月齢では標準範囲内のことがよくあります。
「受診はおおげさかな…」と迷うときは、地域の保健センターや子育て相談窓口への電話だけでも十分に価値があります。健診を待たずに相談してよいんですよ。
※本記事は医療アドバイスではありません。気になる症状や発達の遅れが心配な場合は、必ず医師・保健センターに相談してください。
よくある質問(FAQ)
Q1. 赤ちゃんの歩き始めはいつからが平均ですか?
令和5年こども家庭庁調査では、ひとりで歩ける赤ちゃんの割合は1歳未満で30.9%、1歳1〜2か月で55.3%と半数を超え、1歳4〜5か月で96.9%に達します。1歳前後が中心ですが、生後9〜18か月と幅が広く、月齢はあくまで目安と考えてください。
Q2. 1歳になっても歩きません。遅いでしょうか?
1歳の時点ではまだ7割近くの子が歩いていないため、過度な心配はいりません。つかまり立ちやつたい歩きが順調に進んでいれば、その子のペースで歩き出すことが多いです。ただし1歳6か月で歩く様子がまったくない場合は、1歳半健診やかかりつけ小児科で相談すると安心です。
Q3. あんよの練習はさせたほうがいいですか?
無理な練習は必要ありません。立つ・歩く力は赤ちゃん自身の動きの積み重ねで育ちます。手を引っぱって長時間歩かせるより、つかまりやすい家具を置く・少し先におもちゃを置く・裸足で過ごすといった環境づくりが中心です。手伝うときは脇の下を軽く支えましょう。
Q4. ファーストシューズはいつ、どう選べばいいですか?
室内で数歩〜10歩ほど、こけずに歩けるようになってからが目安です。つま先に0.5〜1cmの余裕があるサイズで、つま先が巻き上がった形・かかとがしっかり・ハイカットでベルト付き・薄くて軽いものを選びましょう。足は3〜4か月で測り直し、こまめに買い替えるのがおすすめです。
Q5. 歩き出したら気をつけることは?
行動範囲が一気に広がるので、家具の角にコーナーガードを付ける、すべりやすい床にマットを敷く、玄関や階段の段差に注意するなど、転倒・転落への備えを見直しましょう。歩き始めは転びやすいので、そばで見守るのが基本です。
Q6. 歩くのが早いと足やO脚に悪い影響はありますか?
赤ちゃんが自分の力で歩き出すのは自然な発達で、早いこと自体を問題視する必要はありません。乳児期のO脚傾向は成長とともに整っていくことが多いとされています。気になる場合は健診で相談しましょう。
Q7. つたい歩きから一人歩きに進みません。
つたい歩きから一人歩きまでの間隔には個人差があります。つたい歩きが安定していれば、多くはその子のペースで一歩を踏み出します。1歳6か月を過ぎても歩く様子がない場合は、かかりつけ医や健診で相談してください。
まとめ:あんよは「その子のペース」を信じて見守る
赤ちゃんの歩き始めは、令和5年こども家庭庁調査で1歳1〜2か月に半数を超え、1歳4〜5か月で9割以上が達成する発達ステップです。生後9〜18か月と幅が広く、1歳で歩いていない子のほうが多数派。早い遅いに一喜一憂せず、その子のペースを見てあげましょう。
歩くまでの道のりは、つかまり立ち → つたい歩き → ひとり立ち → 一人歩き。無理な練習より、つかまりやすい家具・裸足・声かけといった「歩きたくなる環境」を整えるのが基本です。ファーストシューズは歩き始めてから、ぴったりサイズを選んでこまめに見直しを。
そして、1歳6か月で歩く様子がまったくない、手前の発達も見られないといったときは、1歳半健診やかかりつけ医・保健センターに相談を。全体の流れで見て、気になるサインがあれば早めに専門家へつなぐのが、いちばん確かな一歩です。
※本記事は医療アドバイスではありません。気になる症状や発達の遅れが心配な場合は、必ず医師・保健センターに相談してください。