この記事の主な参照ソース
- みんなで見守り「こどもの熱中症」を防ぎましょう!(こども家庭庁) — 子どもの熱中症リスクと予防策
- 熱中症を防ぎましょう(厚生労働省) — 熱中症予防の基本方針
- 赤ちゃん・子どもの熱中症 危険な症状と応急処置(たまひよ/ベネッセ) — 症状の見分け方と受診目安
- 赤ちゃんに快適な温度と湿度の目安(ムーニー/ユニ・チャーム) — 室温・湿度の具体数値
- 子どもを熱中症から守るために(東京都こどもセーフティプロジェクト) — 5つの予防ポイント
結論からお伝えすると、赤ちゃんの夏の暑さ対策は「室温26〜28度の管理」「月齢に合った涼しい服装」「こまめな水分補給」の3本柱が基本です。赤ちゃんは体温調節機能が未熟なため、大人が「ちょっと暑いかな」と感じたときには、赤ちゃんはもっと暑い思いをしている可能性があります。
「エアコンはつけっぱなしでいいの?」「外出するときは何を気をつければ?」……初めての夏を迎える赤ちゃんがいると、不安が次々に出てきますよね。
この記事では、こども家庭庁・厚労省・小児科医などの情報をもとに、室温管理から服装、外出時の注意点、熱中症のサインと応急処置まで月齢別に解説します。
赤ちゃんが暑さに弱い理由 — まず知っておきたい3つのポイント

まず「なぜ赤ちゃんは暑さに弱いのか」を知っておきましょう。
1. 体温調節機能が未熟
梶山小児科・アレルギー科によると、乳幼児は自律神経の働きが未熟で、放熱や発汗による体温調節が十分に発達していないと言われています。大人のように「暑いから汗をかいて体を冷やす」という調整がスムーズにいかないんですよね。
2. 汗腺の密度が高く、脱水しやすい
ムーニー(ユニ・チャーム)の情報によると、赤ちゃんは体表面積あたりの汗腺が大人の約7〜8倍あると言われています。たくさん汗をかく一方、体が小さいぶん体内の水分量も少ないため、脱水を起こしやすいのが特徴です。
3. 自分で「暑い」と伝えられない
実はこれ、意外と見落としがちなポイントなんですが、2歳以下の子どもは自分から「暑い」「のどが渇いた」と訴えることがほとんどできません。だからこそ、周囲の大人が赤ちゃんの暑さサインに気づいてあげる必要があります。
赤ちゃんの暑さサインの見分け方: たまひよ(ベネッセ)の保健師監修記事では、背中やおなかを手で触るのがいちばんわかりやすい方法とされています。汗でしっとりしていたら「暑い」、ひんやりしていたら「寒い」のサインです。手足だけで判断しないのがコツです。
月齢別の夏の服装ガイド — 何を何枚着せる?

「夏は薄着でいいんでしょ?」と思いがちですが、月齢によって着せ方のポイントが異なります。ミキハウスの月齢別ガイドや、たまひよの保健師監修記事をもとに整理しました。
月齢別の夏服 枚数目安
| 月齢 | 枚数の目安 | 室内での基本 | 外出時の基本 |
|---|---|---|---|
| 新生児〜1ヶ月 | 大人より1枚多め | 短肌着+コンビ肌着 | 短肌着+カバーオール+帽子 |
| 2〜3ヶ月 | 大人と同じ枚数 | コンビ肌着1枚 or ロンパース | ロンパース+帽子 |
| 4〜6ヶ月 | 大人より1枚少なめ | ボディスーツ1枚 | ボディスーツ+薄手カバーオール+帽子 |
| 7〜12ヶ月 | 大人より1枚少なめ | Tシャツ+短パン or ロンパース | Tシャツ+短パン+帽子+日焼け止め |
素材選びのポイント
赤ちゃんの夏服で大切なのは通気性と吸湿性です。
- 綿100%: 汗をしっかり吸収し、肌にやさしい
- ガーゼ素材: 通気性と吸湿性に優れ、やわらかい
- メッシュ素材(天竺): さらっとした肌触りで乾きやすい
- 避けたい素材: ポリエステル100%は蒸れやすいため注意
汗をかいたらこまめに着替えさせることも大切です。汗をそのままにしておくとあせもの原因になります。
室内の暑さ対策 — エアコンの使い方と室温・湿度管理

室温と湿度の目安
ムーニー(ユニ・チャーム)の医師監修記事によると、赤ちゃんにとって夏場の快適な環境は以下が目安です。
| 項目 | 目安 | 補足 |
|---|---|---|
| 室温 | 26〜28度 | 大人が「少し涼しいかな」と感じる程度 |
| 湿度 | 50〜60% | 除湿機能も活用 |
| エアコン | つけっぱなしOK | 28度を超える日は積極的に使用 |
エアコン使用時の注意点
「エアコンをつけっぱなしにしていいの?」という質問は本当によく聞きますが、厚生労働省も室温28度以下を目安にエアコンを活用することを推奨しています。ただし、以下の点に注意しましょう。
- 冷風を直接赤ちゃんに当てない — ベビーベッドの位置や風向きを工夫する
- 設定温度と実際の室温は違う — 温度計を赤ちゃんのそばに置いて確認する
- 換気も忘れずに — 1〜2時間に1回、短時間の換気を行う
- 扇風機やサーキュレーター — エアコンとの併用で空気を循環させると効率的
寝るときの室温管理
夜間もエアコンはつけたままで構いません。タイマーで切るよりつけっぱなしのほうが室温が安定します。掛け布団は不要で、おなかにバスタオルを1枚かける程度で十分です。背中に汗取りパッドを入れておくと着替えの手間が減ります。
外出時の暑さ対策 — ベビーカー・抱っこ紐の注意点

外出時は室内よりもリスクが高まります。こども家庭庁や東京都こどもセーフティプロジェクトの情報をもとに、外出時のポイントをまとめました。
外出前のチェックリスト
- 帽子: つばの広いものを選ぶ
- 日よけ: ベビーカー用のサンシェードや日傘を活用
- 水分補給グッズ: 母乳・ミルクの準備、月齢に応じて麦茶も
- 保冷グッズ: 保冷剤をタオルで包んでベビーカーに
- 着替え: 汗で濡れた場合に備えて1〜2セット
ベビーカーの「地面からの熱」に注意
ここがポイントなんですが、こども家庭庁も注意を呼びかけているのがベビーカーの地面からの照り返しです。ベビーカーの座面は地面に近いため、大人が感じている温度よりも高温にさらされている可能性があります。
- アスファルトの照り返しで、地面から50cm付近は大人の顔の高さより数度高いとされる
- こまめにベビーカー内の赤ちゃんの様子を確認する
- 日陰を選んで移動する
- 背面にサンシェードをつけるだけでなく、座面の温度も手で確認する
外出する時間帯の工夫
東京都こどもセーフティプロジェクトでは、以下を推奨しています。
| 時間帯 | 外出の可否 | 理由 |
|---|---|---|
| 早朝(6〜9時) | おすすめ | 気温がまだ上がりきっていない |
| 午前中(9〜11時) | 注意して可 | 日差しが強くなり始める |
| 日中(11〜15時) | できれば避ける | 気温・紫外線ともにピーク |
| 夕方(16時以降) | おすすめ | 気温が下がり始める |
抱っこ紐を使うとき
抱っこ紐は体が密着するため熱がこもりやすくなります。メッシュ素材の抱っこ紐や保冷シートを活用し、長時間の使用は避けましょう。
水分補給のコツ — 月齢で変わる飲ませ方

梶山小児科の情報によると、2歳以下の子どもは自分から飲み物を欲しがることが少ないため、大人が意識して水分を与えることが重要です。
月齢別の水分補給方法
| 月齢 | 主な水分源 | 頻度の目安 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 0〜5ヶ月 | 母乳・ミルク | 授乳のたび | 白湯・麦茶は基本的に不要 |
| 6〜8ヶ月 | 母乳・ミルク+白湯・麦茶 | 授乳+食事の合間に | スプーンやストローマグで少量ずつ |
| 9〜12ヶ月 | 母乳・ミルク+麦茶・白湯 | 2〜3時間おき | マグカップやストローで飲める量が増える |
水分補給の注意点
- イオン飲料(ベビー用)は普段使いしない — 下痢や嘔吐で脱水が心配なときだけ使う
- ジュースは避ける — 糖分が多く、のどの渇きを増す可能性がある
- 母乳やミルクが最優先 — 離乳食前の赤ちゃんは母乳・ミルクだけで水分は足りている
- おしっこの量と色で確認 — おしっこの量が減っている・色が濃いときは水分不足のサイン
こんなときは小児科へ — 熱中症の症状と受診目安

たまひよ(ベネッセ)の医師監修記事をもとに、赤ちゃんの熱中症の症状と対応をまとめました。
熱中症の初期症状チェックリスト
以下のような様子が見られたら、熱中症の可能性を疑いましょう。
- 顔が赤い、体が熱い
- ぐずって機嫌が悪い
- いつもより汗を大量にかいている(または逆に汗が出ない)
- 皮膚や唇が乾燥している
- おしっこの量が少ない・色が濃い
- なんとなく元気がない、ぐったりしている
すぐに受診が必要なサイン
以下の症状が見られたら、すぐに医療機関を受診、または救急車を呼んでください。
- けいれんを起こしている
- 意識がもうろうとしている・呼びかけに反応しない
- 40度以上の発熱がある
- 水分を受け付けない(飲めない・吐いてしまう)
応急処置の手順
- 涼しい場所へ移動 — エアコンの効いた室内や日陰へ
- 衣服をゆるめて体を冷やす — 首・わきの下・太ももの付け根を保冷剤やぬれタオルで冷やす
- 水分補給 — 意識がはっきりしていれば、母乳・ミルク・ベビー用イオン飲料を少しずつ与える
- 様子を観察 — 改善しない場合はすぐに受診
「軽症」「中等症」「重症」の比較
| 段階 | 主な症状 | 対応 |
|---|---|---|
| 軽症 | 顔の赤み、多量の汗、ぐずり | 涼しい場所で休ませて水分補給 |
| 中等症 | ぐったり、おしっこ減少、唇の乾燥 | 体を冷やして水分補給。改善しなければ受診 |
| 重症 | けいれん、意識障害、40度以上の高熱 | 救急車を呼ぶ |
※本記事は医療アドバイスではありません。気になる症状がある場合は必ず医師に相談してください。
よくある誤解 — やりがちなNG対策3つ

誤解1:「室内にいれば熱中症にならない」
室内でも熱中症は起こります。厚生労働省の情報でも、熱中症の約4割は屋内で発生しているとされています。エアコンをつけていない室内や、風通しの悪い部屋は要注意です。
誤解2:「扇風機を回しておけば大丈夫」
気温が体温を超える猛暑日は、扇風機だけでは十分ではありません。体温以上の熱風を当て続けることになり、かえって体温が上がってしまうことがあります。扇風機はあくまでエアコンとの併用で使うのが効果的です。
誤解3:「暑い日はたくさん水を飲ませれば安心」
月齢5ヶ月以下の赤ちゃんには、白湯や麦茶は基本的に不要です。母乳やミルクで十分な水分が補給できるため、無理に白湯を飲ませる必要はありません。また、赤ちゃん用のイオン飲料も、脱水の兆候がないときの日常的な使用は推奨されていません。
よくある質問(FAQ)
Q1. エアコンは一日中つけっぱなしで大丈夫?
はい。室温が28度を超える日はつけっぱなしで問題ありません。厚生労働省も積極的なエアコン活用を推奨しています。タイマーで切るよりも、つけっぱなしのほうが室温が安定し、赤ちゃんにとって快適です。ただし、冷風が直接赤ちゃんに当たらないように風向きを調整しましょう。
Q2. 赤ちゃんに日焼け止めは必要?
生後6ヶ月以降であれば、ベビー用の日焼け止めを使うことができます。それ以前の赤ちゃんは肌がデリケートなため、帽子や日よけ、長袖の薄手ウェアなど物理的な対策を優先しましょう。
Q3. 夏場のお散歩はどのくらいの時間にすべき?
日差しの弱い早朝(6〜9時)か夕方(16時以降)がおすすめです。1回の散歩は15〜30分程度を目安にし、赤ちゃんの様子を見ながら無理のない範囲で行いましょう。日中(11〜15時)の外出はできるだけ避けてください。
Q4. 保冷剤をベビーカーに入れても大丈夫?
大丈夫です。ただし、保冷剤は必ずタオルで包んで使用しましょう。直接肌に当たると冷えすぎてしまいます。ベビーカー用の保冷シートも市販されているので、活用すると便利です。
Q5. あせもができてしまったらどうする?
汗をこまめに拭き、清潔な衣服に着替えさせることが基本です。シャワーで汗を流してあげるのも効果的です。市販のあせも用パウダーやクリームを使っても改善しない場合や、赤みが広がっている場合は皮膚科を受診しましょう。
Q6. 車移動のときに気をつけることは?
こども家庭庁は、車内への子どもの放置は短時間でも絶対に行わないよう強く呼びかけています。たとえ「ちょっとだけ」でも、車内の温度は急激に上昇します。また、チャイルドシートは背中が蒸れやすいので、メッシュシートや保冷シートの活用がおすすめです。
まとめ — 夏の赤ちゃんケアは「先手」が大事
赤ちゃんの夏の暑さ対策で大切なのは、症状が出てから対処するのではなく、予防を先手で打つことです。
最後に、この記事のポイントをおさらいしておきましょう。
- 室温は26〜28度、湿度50〜60%を目安にエアコンを積極的に活用する
- 服装は月齢に応じて調整。4ヶ月以降は大人より1枚少なめが基本
- 水分補給はこまめに。ただし月齢5ヶ月以下は母乳・ミルクで十分
- 外出は早朝か夕方に。ベビーカーの地面からの照り返しに注意
- 背中やおなかを触って暑さサインをチェックする習慣をつける
- ぐったり・おしっこ減少・唇の乾燥は熱中症の初期症状。すぐに涼しい場所へ
赤ちゃんが安全に夏を過ごせるように、この記事で紹介した対策をひとつずつ取り入れてみてくださいね。
※本記事は医療アドバイスではありません。気になる症状がある場合は必ず医師に相談してください。