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子供の成長・発達

赤ちゃんのハイハイはいつから?月齢別の目安と練習方法・安全対策

この記事の主な参照ソース

「もう8か月なのにまだハイハイしないんだけど大丈夫?」「ずりばいは始まったけど、これってハイハイに進むの?」こんな心配ありませんか?

実は2024年12月にこども家庭庁が13年ぶりに公表した「令和5年乳幼児身体発育調査」で、ハイハイの月齢目安は新しい数値が示されました。ネットで広く出回る「9〜10か月で90%」は2010年の古いデータです。

この記事では最新のこども家庭庁データをベースに、ハイハイの月齢別タイムライン・ずりばい/ハイハイ/高ばいの違い・安全な練習方法・受診目安まで、小児科医監修ソースで整理した内容をまとめました。


ハイハイはいつから?月齢別タイムライン(令和5年最新データ) 

令和5年こども家庭庁データをもとにしたハイハイ通過率の月齢別棒グラフの図解。横軸に5〜6か月から11〜12か月までの月齢区分、縦軸に通過率パーセンテージ。各バー...

令和5年乳幼児身体発育調査はこども家庭庁が令和6年12月25日に公表した最新公式統計です。前回の平成22年調査から13年ぶりの大型改訂で、現在の赤ちゃんの発達ペースを示しています。

月齢別 ハイハイ通過率(令和5年こども家庭庁) 

月齢ハイハイができる赤ちゃんの割合コメント
生後5〜6か月6.3%ごく早い子。少数派
生後6〜7か月19.5%5人に1人ペース
生後7〜8か月47.6%約半数。ピークの入り口
生後8〜9か月67.4%約3分の2が達成
生後9〜10か月76.9%4分の3が達成
生後10〜11か月91.0%9割超え。標準的なゴール
生後11〜12か月99.3%ほぼ全員

令和5年調査では「ハイハイ9割達成は10〜11か月」が新しい目安です。生後8か月で半数強、生後10か月でも約77%なので、「8〜10か月でまだハイハイしてない」赤ちゃんは少数派ではありません。

平成22年データとの差:実は「以前より少し遅い」 

ネットで広く引用されている「9〜10か月で90.3%」は平成22年(2010年)厚生労働省調査の数値です。13年で「9割達成」が1か月ほど後ろにずれています。「9か月でハイハイしていない」と心配な方は、最新の基準で考えてみてください。

ハイハイ前後の発達マイルストーン 

運動機能9割の赤ちゃんが通過する月齢(令和5年)
ねがえり生後6〜7か月
ひとりすわり生後9〜10か月
ハイハイ生後10〜11か月
つかまり立ち生後11〜12か月
ひとり歩き1歳3〜4か月

ムーニーの小児科医監修ページによると、開始は早い子で5か月頃、遅い子で1歳過ぎと個人差は大きいです。


ずりばい・ハイハイ・高ばい・伝い歩きの違い 

ずりばいからハイハイ、高ばい、伝い歩きまでの発達ステップ図解。各段階にイラストと月齢ラベル「ずりばい7か月」「ハイハイ8か月」「高ばい9か月」「伝い歩き11か月...

「ずりばいはハイハイ?」「高ばいって何?」と混乱しがちな移動様式の違いを整理します。

4つの移動様式 比較表 

様式姿勢動き方月齢の目安
ずりばいお腹を床につけたまま腕と脚で前進。ほふく前進のような動き生後7か月頃
ハイハイ膝を床につけお腹を持ち上げる両手と両膝で左右交互に前進生後8か月頃
高ばい膝を浮かせて手のひらと足の裏で支えるより体幹が必要な発展形生後9か月頃
伝い歩き立位で家具などにつかまる横歩き生後10〜11か月以降

たまひよの小児神経専門医監修記事をもとに整理。

ずりばいは「ハイハイの前段階」とは限らない 

ずりばいはお腹を床につけたままの移動で、ハイハイへの移行段階と捉えるのが一般的です。ただしアップリカの理学療法士監修コラムでは「ずりばいのみ」「ずりばいを飛ばしていきなりハイハイ」「ずりばいから高ばいへ直行」など、進み方には個人差があると紹介されています。

高ばい・シャフリングベビーも発達のバリエーション 

高ばいは膝を浮かせて手足だけで進む動きで体幹力が必要ですが、全員が経験するわけではありません。BabyBandの医師監修記事では、シャフリングベビー(座ったまま移動する子)も正常発達の一部で、歩き始めればハイハイした子と差がないとされます。


ハイハイ前のサインとおうちでできる練習方法 

ハイハイの前兆4ステップ図解。「ひとりすわりが安定」「うつ伏せで上体を支える」「おもちゃへ手を伸ばし体が傾く」「両足を持ち上げ体をひねる」の4つのステップを日本...

「いきなりハイハイし始めた」と感じる方が多いですが、実は数週間〜数か月かけて準備が進んでいます。

ハイハイの前に見られる4つのサイン 

ムーニーの小児科医監修記事を参考にまとめました。

  1. ひとりすわりが安定する — 手をつかずに座れる
  2. うつ伏せで上体を持ち上げる — 両腕を突っ張って胸を浮かせる
  3. おもちゃへ手を伸ばして体を傾ける — 興味で前のめりに
  4. 両足を持ち上げ・体をひねる — 予備動作が増える

これらは「準備が進んでいる合図」程度に受け取るのがちょうどよいです。

「練習」より「環境づくり」が基本 

ハイハイは強制練習で早めるものではなく、「動きたい」気持ちを引き出す環境づくりが基本です。

  • おもちゃを少し前に置く — 30〜50cm先に好きなおもちゃ
  • 低い位置から声をかける — 「こっちだよ」と呼びかける
  • 親が手本を見せる — 一緒にハイハイ
  • 足裏に軽く手を添える — 強く押さない
  • 広めのスペース — 1.5〜2m四方

タミータイム(うつ伏せ遊び)はAAP公式の基礎づくり 

ハイハイの土台になるのが「タミータイム(うつ伏せ遊び)」です。長田こどもクリニックの小児科医解説では、米国小児科学会(AAP)推奨にもとづく以下の目標時間が示されています。

月齢1日の合計タミータイム目標(AAP)
新生児期1回30秒〜1分、1日数回
生後1〜2か月1日合計 15〜30分
生後3〜4か月1日合計 60分以上
生後5〜6か月以降赤ちゃんが楽しむ限り継続

首すわり・寝返り・おすわりに必要な筋肉を鍛える、頭の変形を防ぐ、視野が広がって動きたい意欲が育つ、といった効果があるとされます。

やってはいけないNG行為 

BabyBandの医師監修記事で挙げられている避けるべき関わり方です。

  • 叱る・強制する
  • 長時間連続で練習させる(1回5〜10分が上限)
  • 一人にして目を離す
  • 体を強くひねる・足を引っ張る(関節を痛めるリスク)

ハイハイ期に急増する家庭内事故と安全対策 

ハイハイ期の家庭内危険ゾーンを示す室内マップ図解。コンセント、階段、家具角、誤飲物(ボタン電池・マグネット)の各危険ポイントに番号と日本語注意ラベルを配置。画像...

ハイハイが始まる時期は、行動範囲が一気に広がって家庭内事故が急増するタイミングです。

0〜1歳に集中する不慮の事故 

消費者庁の注意喚起(Vol.570)によると、令和2年人口動態調査で交通事故を除く0〜4歳の不慮の窒息死は63名、その約9割が1歳以下に集中しています。

誤飲事故:ボタン電池とマグネットは特に危険 

日本中毒情報センターによると、誤飲事故は生後6か月〜2歳に多く、ハイハイ・ずりばい開始期がピークと重なります。

  • ボタン電池(特にコイン形リチウム電池) — 消化管内で電流が流れ、短時間でアルカリ損傷を起こす恐れ。誤飲時は「何も飲ませず、吐かせないで至急病院へ」が正解
  • 強力磁石 — 複数を誤飲すると腸壁を挟んで引き合い、開腹手術が必要となるケースあり(経産省が2023年6月から強力小型磁石セット販売を規制)

ハイハイ期の安全対策チェックリスト 

  • コンセントに保護カバー
  • 家具の角に保護材(つかまり立ち対策の先回り)
  • 階段・キッチン入口にベビーゲート
  • 直径4cm未満の物を床から撤去(ボタン電池・ビー玉・コインなど)
  • マグネットセットを届かない場所に
  • タバコ・薬・洗剤は高所or鍵付きへ
  • 電気コードを束ねる・固定
  • 植木鉢・水を入れた容器を撤去(5cmの水深でも溺水リスク)

ハイハイ赤ちゃんは数秒で1〜2m移動します。1人で家事をする時間帯はベビーサークルで動ける範囲を区切るのが現実的です。


ハイハイしないときの受診目安と発達相談 

ハイハイの発達相談フロー図解。「9〜10か月でハイハイなし」→「他の発達は順調?」で分岐、「はい→様子見」「いいえ→かかりつけ医相談」の判断フローを日本語ラベル...

「もう11か月なのにハイハイしないんだけど…」という心配はよくあります。月齢ごとに考える基準を整理します。

月齢別 受診を考える目安 

LITALICO発達ナビの小児科医監修記事BabyBandの医師監修記事をもとに整理した相談タイミングの考え方です。

月齢状況対応
生後7〜8か月ハイハイしていない様子見でOK。半数以上が未獲得
生後9〜10か月ずりばいの兆しもないおすわり・物への興味など他の発達を確認
生後10〜11か月寝返り・上体起こしもないかかりつけ小児科または保健センターへ相談
生後12か月以降移動の意欲が全く見られない小児科で発達相談を受ける
いつでも手足の動きが左右で非対称速やかに小児科を受診
いつでも全身の力が抜けてグニャグニャ速やかに小児科を受診

こんなときは早めに小児科へ 

  • 手足の動きが片側だけ極端に少ない
  • 全身の筋肉に力が入らず、抱っこで体が垂れ下がる
  • 首すわり・寝返り・おすわりも遅れている
  • 目線が合わない・表情が乏しい
  • 股関節を開きにくい・左右差がある(先天性股関節脱臼の可能性)

「受診はおおげさかな…」と感じるときは、地域の保健センターへの電話相談だけでも価値があります。

※本記事は医療アドバイスではありません。気になる症状がある場合は必ず医師に相談してください。


やりがちなNGと、よくある誤解 

ハイハイに関する3つのよくある誤解をバツ印付きで示すリスト図解。「誤解1:ハイハイ期間が長いほど発達によい」「誤解2:ハイハイしない子は異常」「誤解3:練習させ...

ハイハイ期に保護者がやりがちな勘違いを整理します。

誤解1:「ハイハイ期間が長いほど発達によい」 

「ハイハイをたくさんさせた方が脳によい」という説をSNSで見かけますが、これを直接裏付ける一次研究は提示されていません。LITALICO発達ナビでは、ハイハイは協応動作の練習となり体幹・肩甲帯・骨盤の発達を促す側面があるとされる、と慎重な表現です。無理に長く続けさせる必要はありません。

誤解2:「ハイハイをしない子は異常」 

BabyBandの医師監修記事では、ハイハイをせずいきなり立つ赤ちゃんもおり、それ自体が必ずしも異常ではないとされます。シャフリングベビーも同様で、歩き始めればハイハイした子と差がないとされています。

誤解3:「練習させないと遅れる」 

ムーニーの小児科医監修ページでは、赤ちゃんは自分のペースで発達するため、強引な練習ではなく動きたい意欲を引き出す環境作りが大切と説明されています。お腹を押す・体を強くひねらせる等は関節を痛めるリスクもあるので避けましょう。

NG:歩行器でハイハイを飛ばす 

歩行器(ベビーウォーカー)でハイハイを飛ばす選択肢もありますが、米国小児科学会(AAP)は安全上の懸念から推奨していません。階段からの転落事故報告が多く、カナダでは2004年に販売禁止です。


よくある質問(FAQ) 

Q1. ハイハイが早すぎる(生後5〜6か月)のですが大丈夫ですか?

おすわり・ねがえり等の前段階が順調なら特別な問題はないと考えられます。令和5年こども家庭庁調査でも5〜6か月の通過率は6.3%で、早めの子は一定数います。心配なら6〜7か月健診でかかりつけ医に相談してみてください。

Q2. ずりばいだけでハイハイに進まないのですが問題ありますか?

ずりばいのみでハイハイをスキップする子もいます。アップリカの理学療法士監修コラムでも「ハイハイには5つのスタイルがあり個人差が大きい」とされ、つかまり立ちや独歩に問題なく移行できれば心配は少ないと紹介されています。

Q3. シャフリングベビーは発達に問題がありますか?

BabyBandの医師監修記事では、シャフリングベビーは正常発達の一部とされ、独歩は少し遅れる傾向があっても歩き始めればハイハイした子と差はないとされます。気になる場合は健診でかかりつけ医に共有しましょう。

Q4. ハイハイの「練習」って何をしたらいいですか?

直接的な練習よりも、タミータイムで体幹を育てる・興味を引くおもちゃで動きたい気持ちを引き出す・広い床スペースを用意する「環境づくり」が中心です。長田こどもクリニックの解説では米国小児科学会推奨のタミータイム月齢別目標時間が紹介されています。

Q5. 11か月でもハイハイしないのですが、受診すべきですか?

令和5年こども家庭庁調査では10〜11か月で91.0%が通過です。11か月でハイハイ・ずりばいの兆しもなく寝返りや上体起こしも見られない場合は、かかりつけ小児科または保健センターに相談してみるのが安心です。「ずりばいや高ばいで移動している」「立ち上がろうとしている」場合は、ハイハイを経由しないパターンの可能性もあります。

Q6. 早産児のハイハイ時期はどう考えればいいですか?

早産児の発達は「修正月齢(出産予定日からの月齢)」で見るのが一般的です。生まれた日からの月齢では遅く見えても、修正月齢で標準範囲内のことが多くあります。早産児フォローアップ外来やかかりつけ医に相談してください。


まとめ:ハイハイは「待つ」と「環境づくり」がセット 

赤ちゃんのハイハイは、令和5年こども家庭庁調査で生後10〜11か月に9割以上、11〜12か月でほぼ全員が達成する発達ステップです。ネットでよく見る「9〜10か月で90%」は2010年の古いデータで、最新は1か月ほど後ろにずれていることを覚えておくと無用な心配が減ります。

ハイハイを促すコツは「練習」より「環境づくり」。米国小児科学会推奨のタミータイムで体幹を育て、おもちゃや声かけで「動きたい」気持ちを引き出すのが基本です。強引な体ひねりや長時間練習は避けましょう。

同時にハイハイ開始期は家庭内事故が一気に増えるタイミングです。コンセントカバー・ベビーゲート・誤飲物の撤去という「物理的な安全対策」を必ず見直してください。特にボタン電池と強力磁石は誤飲時の緊急性が高いアイテムです。

「ハイハイをしないまま立つ子」「シャフリングベビー」も発達のバリエーションの一つ。気になるサインが他にないか全体で見て、心配があればかかりつけ医・保健センターに相談するのが一番確かなステップです。

※本記事は医療アドバイスではありません。気になる症状がある場合は必ず医師・保健センターに相談してください。


参考文献 

  1. 令和5年乳幼児身体発育調査(こども家庭庁)
  2. 令和5年乳幼児身体発育調査 調査結果の概要(こども家庭庁、PDF)
  3. 平成22年乳幼児身体発育調査報告書(厚生労働省)
  4. 赤ちゃんのハイハイはいつから?重要性やはじめる前兆、練習方法まで解説(ムーニー/ユニ・チャーム・小児科医監修)
  5. ハイハイ、いつから?(アップリカ赤ちゃんManabiya・理学療法士監修)
  6. “はいはい”“ずりばい”のスタイル、これって大丈夫?(たまひよ・小児神経専門医監修)
  7. ハイハイはいつから?ハイハイしない・しないで立つのは問題?原因と練習方法(LITALICO発達ナビ・医師監修)
  8. 【医師解説】赤ちゃんのハイハイはいつから?練習方法やしない原因について(BabyBand・小児科医監修)
  9. 【小児科医が徹底解説】タミータイムはいつから始める?やり方、効果、嫌がる時のコツまで(長田こどもクリニック)
  10. Vol.570 就寝時・転倒・誤飲など子どもの事故に注意(消費者庁)
  11. ボタン電池(ボタン形電池、コイン形リチウム電池)による小児の事故(日本中毒情報センター)

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