この記事の主な参照ソース
- 分離不安および人見知り(MSDマニュアル家庭版) — 分離不安の発達経過(始まり・ピーク・落ち着く時期)
- 赤ちゃんが後追いをする原因は?いつからいつまで続く?【医師監修】(ベネッセ教育情報サイト) — 後追いの定義・理由・声かけの対処法
- 赤ちゃんの後追いとは?対策と注意点【医師監修】(ベビーカレンダー) — 月齢の目安・後追いしない場合の考え方
- 愛着形成とは?発達段階と関わり方(マイナビ保育士) — 「安全基地」と愛着行動の発達知見
- 赤ちゃんの後追いへの対処法・対応の工夫(KIDSNA) — 家事との両立・親のセルフケア
「トイレに立っただけで大泣き」「キッチンに行くと足元にしがみついて離れない」「ちょっと隣の部屋に行くのも一苦労……」
みなさんは、赤ちゃんの後追いでこんなふうにヘトヘトになっていませんか。家事が進まず自分の時間もゼロ。かわいいはずなのに正直しんどい——そう感じても不思議ではありません。
実はこの後追い、赤ちゃんがあなたを「特別な存在」だと認識し、愛着を深めているサインなんですよね。とはいえ「成長の証」と分かっていても、毎日となると疲れてしまうもの。
この記事では、後追いの原因と発達の意味、いつから始まっていつまで続くのかの月齢別の傾向、激しいときの対処法、トイレやお風呂などシーン別の乗り切り方、後追いをしない場合や相談の目安まで、医師監修ソースと発達の知見をもとに整理しました。先が見えると、ぐっと気持ちが楽になりますよ。
後追いって何? なぜ赤ちゃんはママ・パパを追いかけるの?

後追いとは、ハイハイやつかまり立ちで行動範囲が広がった赤ちゃんが、保護者の姿が視界から消えたときに、後を追いかけたり泣いたりする行動のことです。困った行動のように見えますが、発達のうえではとても自然な現象なんですね。
後追いの一番の理由は、特定の大人への強い愛着と「分離不安」にあります。分離不安とは、安心できる相手がそばから離れることに不安を感じる気持ちのこと。赤ちゃんは毎日お世話をしてくれる人を「特別な存在」として認識し、その人が離れると不安になって追いかける、というわけです。
後追いは「困った行動」ではなく成長のサイン
ここがポイントなんですが、後追いは赤ちゃんが身近な人とそうでない人を区別できるようになり、愛着を深めている証とされています。つまり、心と体が順調に育っているサインのひとつなんですね。
「うちの子、後追いが激しすぎ……」と心配になるかもしれませんが、それだけ「あなたが大好き」「あなたがいると安心」という気持ちが育っている、と考えると少し見方が変わるのではないでしょうか。
ちなみに、後追いと同じ時期に「人見知り」も強くなる子がいます。どちらも見知らぬ人と身近な人を区別できるようになったから起こるもの。後追いと人見知りはセットで現れることがある、と知っておくと慌てずに済みます。
キーワードは「安全基地」— 発達の視点から見た後追い
発達心理の考え方では、赤ちゃんは特定の人を「安全基地(あんぜんきち)」にして、その安心感をベースに少しずつ行動範囲を広げていくとされています。
安全基地である大好きな人に近づく・しがみつく・後を追う、といった行動は「接近行動(愛着行動)」と呼ばれ、後追いもそのひとつ。「離れたくない」と感じられること自体が、信頼関係が育っている証拠というわけなんですね。安心の土台がしっかりするほど、やがて自分から離れて遊べるようになっていきます。
後追いはいつから始まっていつまで続く? ピークの時期

「この後追い、いったいいつまで続くの……」——いちばん知りたいのはここですよね。結論から言うと、多くの子は2歳ごろまでに落ち着いていきます。ただし時期には大きな個人差があるので、あくまで目安として見てくださいね。
後追いそのものは、早い子で生後6カ月ごろから始まることがあり、よく見られるのは生後9〜11カ月ごろとされています。ハイハイが上手になる時期と重なります。
一方、背景にある分離不安という観点では、医療リファレンスで典型的には生後8カ月頃に始まり、生後10〜18カ月の間で最も激しくなる(ピーク)とされ、一般には生後24カ月(2歳)ごろまでに治まることが多いと説明されています。後追い行動としては1歳半ごろまで続き、その後いつの間にか落ち着く子が多い、という流れです。
月齢別・後追いと分離不安の傾向
月齢ごとの一般的な傾向を表に整理しました。「うちの子はこの月齢だから必ずこうなる」という意味ではなく、あくまで目安として参考にしてください。
| 月齢の目安 | 後追い・分離不安の傾向 | この時期の背景 |
|---|---|---|
| 生後6〜8カ月ごろ | 後追いが始まることがある | ママ・パパを認識し、ハイハイで動けるようになる |
| 生後8〜11カ月ごろ | 後追いが本格化しやすい | 人見知りも強まり、分離不安が出始める |
| 生後10〜18カ月ごろ | 分離不安がもっとも激しくなりやすい(ピーク) | 「離れる=不安」が強く、もっとも大変な時期 |
| 1歳半〜2歳ごろ | 少しずつ落ち着いていくことが多い | 「離れてもすぐ戻る」と分かり、遊びにも夢中に |
特に生後10〜18カ月あたりは、もっとも後追いが激しく感じられやすい時期。「今がいちばん大変な山なんだ」と思えると、少し心の準備ができますよね。
後追いが落ち着いていくのはなぜ?
後追いがやわらいでいく背景には、次のような変化があるとされています。
- 「離れてもすぐ戻ってくる」と理解できるようになる
- 歩くことに熱中し、自分で動ける楽しさが不安より勝つ
- 遊べるおもちゃ・遊びが増え、一人遊びの時間が伸びる
つまり後追いは「がまんさせて終わらせる」ものではなく、安心と経験が積み重なって自然に卒業していくもの。今は大変でも、ちゃんと出口があります。
激しい後追いへの対処法 — 安心を育てる4つの基本

激しい後追いに「どう止めればいいの?」と考えてしまいがちですが、後追いは無理に止めるものではありません。大切なのは、赤ちゃんの中に「離れても大丈夫」という安心を少しずつ育てること。育児・医療系の情報源で共通してすすめられている基本の対応を4つにまとめました。
ステップ1:離れる前に声をかける
トイレや別室に行くときは、いきなり姿を消さず「トイレに行ってくるね」「すぐ戻るね」と声をかける習慣をつけてみてください。こっそりいなくなると、かえって「目を離すと消えてしまう」という不安を強め、逆効果になりやすいとされています。
ステップ2:泣いても声で安心させる
離れている間に泣き出したら、別の部屋から「ここにいるよ、大丈夫だよ」と声をかけ続けてみましょう。姿が見えなくても声が届くことで、「親はちゃんといる」と次第に分かるようになっていく、と説明されています。
ステップ3:戻ったらやさしく抱きしめる
戻ってきたら、「ただいま、待っててくれたんだね」とやさしく抱きしめてあげましょう。「離れても戻ってくる」という経験が積み重なると、不安は少しずつやわらいでいきます。
ステップ4:繰り返して「経験」を積む
この「声をかける → 安心させる → 戻って抱きしめる」のサイクルは、一度で劇的に効くものではありません。毎日の小さな繰り返しが安心の土台をつくっていくイメージで続けてみてください。
ここがポイントなんですが、対処法の効果には個人差があります。「やってみたけど今日はずっと泣いていた」という日があっても、あなたのやり方が間違っているわけではありません。うまくいかない日があって当然、くらいの気持ちで大丈夫です。
シーン別・後追いの乗り切り方(トイレ・お風呂・キッチン)

後追いがいちばん困るのは「ひとりになりたいのになれない」日常のシーンですよね。トイレ・お風呂・キッチンの場面ごとに、現実的な乗り切り方を比較表にしました。どれも「必ず泣き止む」魔法ではなく、少しでもラクにするための工夫として見てください。
シーン別・対応の比較表
| シーン | 声かけ・安心の工夫 | 安全・ラクにするコツ |
|---|---|---|
| トイレ | 「トイレ行ってくるね、すぐ戻るね」と声かけ。中からも「ここにいるよ」と声を出す | ドアを少し開ける/足元で待てるようお気に入りのおもちゃを置く |
| お風呂・洗濯 | 「お洗濯してくるね」と伝える。歌を歌いながら作業し声を届ける | 見える範囲で待たせる/脱衣所にマットとおもちゃでミニ待機スペース |
| キッチン・料理 | 「ごはん作るね、見ててね」と声かけ | 火・刃物に近づけない安全柵やハイチェアを活用/一緒に行動できる範囲は連れて回る |
ベビーカレンダーなどの育児メディアでは、待っている場所にお気に入りのおもちゃを置く、できるだけ一緒に行動するといった工夫が紹介されています。「ママのエプロンをつかんでていいよ」と、あえて一緒に動いてしまうのもひとつの手です。
「一緒に行動する」も立派な対処法
後追いが激しい時期は、無理に引き離すより「どこへ行くにも連れて回る」と割り切ったほうがお互いラクなこともあります。成長とともに、やがて子どものほうから離れて遊ぶようになっていく——そう知っておくと、今べったりでも焦らずにいられますよね。
ただし、火・刃物・お湯・階段など危険のある場所では安全を最優先に。安全柵やベビーサークル、ハイチェアをうまく使い、「見守れる距離で待ってもらう」環境を整えておくと安心です。
家事が進まない…ワンオペでも疲れすぎない工夫

「後追いで家事がまったく進まない」「自分の時間がなくてつらい」——後追い期のいちばんリアルな悩みですよね。ここで大事にしたいのは、赤ちゃんへの対応と同じくらい、親自身が疲れすぎないことです。
後追いが激しい時期に「いつもどおり家事を完璧にやらなきゃ」と思い込むと、自分を追い詰めてしまいます。育児メディアでも、家事は一時的に手を抜いてかまわないという考え方が共通してすすめられています。
疲れすぎないための5つの工夫
- 家事は完璧を目指さない — 掃除を簡単に済ませる、洗濯を翌日に回す。それで大丈夫です
- 時短・作り置き・市販品に頼る — お惣菜や冷凍食品も立派な選択です
- 子どもが寝ている時間にまとめて — お昼寝中や夜にやれる家事を寄せる
- 夫婦・家族で分担する — 「片方が赤ちゃん、片方が家事」と分けるだけでぐっと楽に
- 頼れるサービスや人を使って休む — 一時保育やシッター、祖父母の手も大切な選択肢
後追いは一時的なもの、と割り切り、家族にも理解してもらいながら適度に手を抜くことが、長い目で見ると親子双方のためになります。「がんばりすぎない」を、どうか自分に許してあげてくださいね。
ワンオペで気持ちがいっぱいになったときは、ひとりで抱え込まないことがいちばん大切です。自治体の子育て相談や地域の支援サービスなど、頼れる先はいろいろあります。
こんなときは相談を — 後追いしない場合と相談の目安

後追いの悩みには「むしろ後追いをしないけど大丈夫?」「2歳を過ぎても続いていて心配」という声もあります。最後に、相談を考える目安を整理しておきますね。
後追いをしない=発達障害ではありません
まず大切なポイントです。後追いをしないからといって、過度に心配する必要はありません。「後追いをしない=何らかの発達障害がある」とは判断できない、と育児・医療系の情報源では説明されています。後追いの程度や有無には、もともと大きな個人差があるからです。
歩くことに早くから夢中になる子、一人遊びが得意な子など、後追いがあまり目立たない子もいます。後追いの強さで発達を決めつけることはできない、と知っておくと安心ですね。
健診・かかりつけ医・保健師に相談する目安
とはいえ、「気になる」「自分たちだけで抱えるのがつらい」というときは、遠慮なく専門家に相談してください。目安を表にまとめました。
| 状況 | 考えられる対応 |
|---|---|
| 後追いが激しいが、機嫌は良く、ほかの発達も気になる点がない | 基本は見守り+これまでの対処法でOK |
| 後追いをしないことや発達全般が気になる | 乳幼児健診や子育て相談で聞いてみる |
| 2歳を過ぎても分離不安が強く、日常生活に支障が出ている/親の負担が大きい | 早めに健診・かかりつけ医・保健師に相談を |
医療リファレンスでは、分離不安が2歳ごろまでに落ち着く場合は長期的な問題を起こすことはないとされています。一方で2歳を過ぎても続く場合は、発達にどれだけ支障があるかによって、相談が必要かどうかが変わってきます。
後追いそのものより、「親が限界まで疲れていないか」も大切なサインです。眠れない・気持ちがつらいといったときも、ひとりで我慢せず、健診や地域の子育て相談、かかりつけ医・保健師に声をかけてみてください。
よくある質問(FAQ)
Q1. 後追いのピークはいつですか?
医療リファレンスでは、背景にある分離不安は生後10〜18カ月の間でもっとも激しくなりやすいとされています。後追い行動としては生後9〜11カ月ごろに本格化することが多いです。ただし時期には個人差が大きいので、目安として捉えてください。
Q2. 後追いはいつまで続きますか?
多くの子は2歳ごろまでに落ち着いていくとされています。後追い行動は1歳半ごろまで続き、その後いつの間にかしなくなる子が多いです。「離れてもすぐ戻る」と理解し、遊びに夢中になることで、自然と卒業していきます。
Q3. 後追いが激しいのは愛情不足や育て方のせいですか?
いいえ、その逆です。後追いは特定の人への愛着が育ち、その人を「安全基地」として信頼している証とされています。激しい後追いは「あなたが大好きで安心できる」というサインであって、育て方が悪いわけでも愛情不足でもありません。
Q4. こっそりいなくなれば泣かずに済みますか?
おすすめしません。こっそり姿を消すと「目を離すと消えてしまう」という不安を強めやすく、逆効果になりやすいとされています。少し手間でも「すぐ戻るね」と声をかけ、戻ったら抱きしめる——この繰り返しが、結果的に安心を早く育てます。
Q5. 後追いがなくて心配です。発達に問題があるのでしょうか?
後追いをしない=発達障害がある、とは判断できません。後追いの有無や程度には個人差が大きく、一人遊びが得意な子や歩くことに早く夢中になる子もいます。それでも気になる場合は、乳幼児健診やかかりつけ医・保健師に相談し、発達全体を見てもらうと安心です。
Q6. 後追いで家事ができず、つらいです。どうすれば?
後追い期は家事を完璧にやろうとしないことが大切です。時短・作り置き・市販品の活用、寝ている時間にまとめる、夫婦や家族での分担、一時保育やシッターを頼って休む——どれも立派な工夫です。後追いは一時的なもの。手を抜いて大丈夫ですし、ひとりで抱え込まないでくださいね。
参考文献
- 分離不安および人見知り — MSDマニュアル家庭版(Merck & Co.)/分離不安の発達経過・安心のさせ方
- 赤ちゃんが後追いをする原因は?いつからいつまで続く?対処法を解説【医師監修】 — ベネッセ教育情報サイト(たまひよ系)/後追いの定義・理由・声かけの対処法
- 赤ちゃんの後追いとは?対策と注意点について【医師監修】 — ベビーカレンダー/月齢の目安・後追いしない場合の考え方
- 愛着形成とは?発達段階と保育士が大切にしたい関わり方 — マイナビ保育士/「安全基地」と愛着行動の発達知見
- 赤ちゃんの後追いへの対処法。いつまで続くかや起こる原因、対応の工夫 — KIDSNA キズナシッター/家事との両立・親のセルフケア
- 赤ちゃんの後追いはいつからいつまでする?しない理由や対応方法も紹介 — LITALICOジュニア/後追いの理由・後追いしない理由・対応方法
※本記事は医療アドバイスではありません。気になる症状や発達面で心配がある場合は、乳幼児健診やかかりつけ医・保健師など専門家に相談してください。