この記事の主な参照ソース
- 子どもの睡眠(e-ヘルスネット/厚生労働省) — 体内時計・メラトニンと光の関係
- 乳幼児の睡眠と発達(日本小児科学会) — 月齢別の睡眠メカニズムと発達
- 赤ちゃんの夜泣き対処法(たまひよ/ベネッセ) — 月齢別の実践アドバイス
- 赤ちゃんの寝かしつけのコツ(ムーニー/ユニ・チャーム) — 環境づくりと入眠儀式の具体例
「抱っこしないと寝てくれない」「やっと寝たのに10分で起きちゃう」「もう何時間揺らしてるんだっけ……」。
みなさんは、こんな経験ありませんか?
赤ちゃんの寝かしつけは、多くの保護者が直面する子育ての大きな壁です。ベネッセの調査でも、「寝かしつけが大変」と感じている保護者は全体の約7割にのぼるとされています。……7割って、ほとんどの方が経験しているんですよね。毎晩のことだからこそ、疲れもストレスもたまりやすいですよね。
でも安心してください。寝かしつけのコツには「型」があります。月齢に合った方法を知って、入眠儀式(ねんねルーティン)を取り入れるだけで、驚くほどスムーズになるケースが多いんです。
この記事では、厚生労働省や日本小児科学会のガイドラインをベースに、赤ちゃんの寝かしつけ方法を月齢別に徹底解説します。「新生児が寝ない原因」から「入眠儀式の作り方」「やってはいけないNG行動」「受診の目安」まで、今日から使える情報をぎゅっとまとめました。
そもそも赤ちゃんはなぜ寝てくれないの?3つの原因

実はこれ、意外と見落としがちなんですが、寝かしつけのテクニックを学ぶ前に、まず「なぜ寝てくれないのか」を理解しておくと、対策がグッと的確になります。
原因1:体内時計がまだ育っていない
赤ちゃんの体内時計(概日リズム)が安定してくるのは、生後3〜4ヶ月ごろです。それまでは昼夜の区別がつきにくく、夜になっても自然に眠くなるとは限りません。
新生児が夜に寝ないのは、体の仕組みとして自然なこと。「寝かしつけが下手なのかも」と自分を責める必要はありません。
原因2:眠りのサインを見逃している
赤ちゃんが眠くなると、こんなサインを見せます。
- 目をこする・耳を触る
- あくびをする
- ぐずる・急に機嫌が悪くなる
- 視線が定まらない・ぼんやりする
- 手足の動きが減る
このサインを逃してしまうと、赤ちゃんは疲れすぎて興奮状態(過疲労)に入ります。「眠いはずなのにギャン泣きで暴れる」のは、過疲労のサインかもしれません。
原因3:寝る前の環境や刺激が合っていない
就寝前にテレビやスマホの画面を見せると、ブルーライトがメラトニン(睡眠ホルモン)の分泌を抑えてしまいます。部屋が明るすぎる、室温が合っていない、騒がしいなど、環境面の問題で寝つけないケースも実は多いんです。
月齢別・赤ちゃんの寝かしつけ方法まとめ

この章の主な根拠
月齢によって効果的な寝かしつけ方法は変わります。まずは全体像を表で確認して、お子さんに合った方法を見つけてください。
| 月齢 | 主な寝かしつけ方法 | 入眠のポイント | よくある悩み |
|---|---|---|---|
| 新生児(0〜2ヶ月) | おくるみ、ゆらゆら抱っこ、ホワイトノイズ | 授乳後の自然な眠気を利用する | すぐ起きる、昼夜逆転 |
| 3〜5ヶ月 | 就寝ルーティン導入、トントン | 眠いサインを見逃さない | 寝ぐずり、夕方のぐずり |
| 6〜8ヶ月 | 入眠儀式の確立、安心アイテム | 自力入眠への移行を意識 | 夜泣き開始、分離不安 |
| 9〜11ヶ月 | 絵本、声かけ、添い寝 | 日中の活動量を確保する | つかまり立ちで遊びたがる |
| 1歳以降 | 安心アイテム、おやすみの声かけ | 就寝・起床時間を固定する | 昼寝の移行期でぐずる |
新生児(0〜2ヶ月):安心感が最優先
この時期は「寝かしつけ」というより「安心できる環境づくり」が本質です。
- おくるみ(スワドル) — モロー反射(びくっとする反射)による中途覚醒を防げます。きつく巻きすぎず、手が顔の近くにくる程度の余裕を
- ホワイトノイズ — 「シャー」「サー」という音は胎内の音に近く、赤ちゃんが安心しやすいです。換気扇の音やアプリを活用してみてください
- ゆらゆら抱っこ — お腹の中で揺られていた感覚に近い、ゆったりしたリズムで
コツ: 授乳後に「うとうと」し始めたタイミングで布団に置くのがポイント。完全に寝てから置くと環境の変化で起きやすくなります。
3〜5ヶ月:就寝ルーティンを始めよう
体内時計が安定し始めるこの時期が、入眠儀式を導入するベストタイミングです。
- 就寝ルーティンの導入 — お風呂→保湿→授乳→絵本(短いもの)→おやすみ。この流れを毎晩繰り返す
- トントン — 布団に寝かせた状態で、心拍に近いゆっくりしたリズムで胸やお腹をトントン
- 朝の光でリセット — 毎朝同じ時間にカーテンを開けると、体内時計がリセットされて夜の入眠がスムーズに
6〜8ヶ月:入眠儀式を「定番化」する
離乳食が始まり日中の刺激が増える時期。夜泣きが始まる子もいますが、入眠儀式を一貫させることが安定した睡眠のカギです。
- 入眠儀式の継続 — 3〜5ヶ月で始めたルーティンを、省略せず毎日同じ順番で
- 安心アイテムの導入 — お気に入りのタオルやぬいぐるみを「ねんねの友達」として寝るときだけ渡す
- 自力入眠への移行 — うとうとした状態で布団に置き、トントンや声かけでサポート
9ヶ月〜1歳以降:活動量と一貫性がカギ
ハイハイやつかまり立ちが始まると、日中しっかり体を動かすことが良質な夜の睡眠につながります。就寝・起床時間を毎日固定し、休日も30分以内のズレに抑えるのが理想です。
今日から始める「入眠儀式」の作り方

ここがポイントなんですが、入眠儀式(ねんねルーティン)は、赤ちゃんの寝かしつけで最も効果が高い方法のひとつなんです。毎日同じ流れを繰り返すことで、赤ちゃんの脳に「これから寝る時間だよ」というシグナルを送れます。
基本の5ステップ
| ステップ | 内容 | ポイント |
|---|---|---|
| 1 | お風呂(ぬるめ) | 入浴後に体温が下がるタイミングで眠気が来る |
| 2 | 保湿・着替え | 薄暗い部屋で静かに行う |
| 3 | 授乳 or ミルク | 暗めの照明で。寝落ちさせないのがコツ |
| 4 | 絵本 or 子守唄 | 1〜2冊、短く穏やかに |
| 5 | おやすみの声かけ | 「おやすみ」で締めくくる |
入眠儀式を成功させる5つのポイント
1. 毎日同じ順番を守る
順番が変わると、赤ちゃんが「次に何が起こるか」を予測できなくなります。忙しい日でも全カットはせず、短縮バージョンで流れを維持しましょう。
2. 就寝30〜60分前から照明を落とす
メラトニンの分泌を助けるために、テレビ・スマホは就寝1時間前にオフ。間接照明やオレンジ系の暖色ライトに切り替えてください。
3. お風呂はぬるめに
熱すぎるお湯は覚醒を促します。ぬるめのお湯で入浴し、お風呂上がりに自然と体温が下がるタイミングを活かしましょう。
4. 授乳中の寝落ちを少しずつ減らす
授乳で完全に寝てしまうと「おっぱい/ミルクがないと眠れない」が定着しやすくなります。うとうとし始めたら布団に移し、トントンで入眠をサポートする練習を。ただし、無理は禁物です。授乳で寝ること自体が悪いわけではありません。
5. 嫌がるステップは柔軟に変更する
入眠儀式は「心地よい」が前提。絵本が嫌なら子守唄に、お風呂が苦手なら温かいタオルで体を拭く程度に、といったアレンジはOKです。
やってはいけないNG行動とよくある誤解

寝かしつけに関する情報はネット上にたくさんありますが、中には逆効果になるものも。ここでは代表的な誤解とNG行動を整理します。
誤解1:「昼間起こしておけば夜ぐっすり眠る」
事実: 赤ちゃんは疲れすぎると興奮状態(過疲労)に入り、逆に寝つきが悪くなります。月齢に合った昼寝をしっかり取らせることが、夜の良い睡眠につながります。
誤解2:「抱っこで寝かせるのはクセになる」
事実: 特に生後6ヶ月未満の赤ちゃんにとって、抱っこは自然で大切なサポートです。月齢が進むにつれて徐々に自力入眠へ移行すれば大丈夫。「今日から抱っこなし!」と急に変える必要はありません。
誤解3:「ネントレは全員やるべき」
事実: ねんねトレーニングには多くの方法があり、合う・合わないはお子さんと家庭の状況次第です。検討するなら信頼できる情報源を参照し、家族で話し合って判断しましょう。
やってはいけないNG行動まとめ
| NG行動 | なぜダメなのか | 代わりにこうする |
|---|---|---|
| 就寝前にスマホ・テレビを見せる | ブルーライトがメラトニン分泌を抑制 | 就寝1時間前から画面オフ |
| 寝かしつけ方法を毎日変える | 赤ちゃんが混乱して安心できない | 入眠儀式を一貫させる |
| 眠いサインを無視して遊ばせ続ける | 過疲労で逆に寝つきが悪化 | サインが出たらすぐ寝かしつけ開始 |
| 寝室でおもちゃ遊びをさせる | 「寝室=遊ぶ場所」と学習してしまう | 遊びはリビングで完結 |
| 寝ないことを叱る | ストレスでさらに寝つけなくなる | 穏やかに対応し、焦らない |
よくある質問(FAQ)

Q1. 何時間も寝かしつけにかかります。どうすればいい?
月齢によっては入眠に20〜30分かかるのは普通のことです。毎晩1時間以上かかる場合は、以下を試してみてください。
- 就寝時刻を30分後ろにずらす — 眠気がまだ十分でない可能性
- 夕方の昼寝を短くする — 就寝に近すぎる昼寝が邪魔をしているかも
- 日中の活動量を増やす — 適度な疲れが入眠を助けます
ひとつずつ変えて、数日ずつ様子を見るのがコツです。一度に全部変えると、何が効いたかわからなくなります。
Q2. 新生児がまったく寝ません。異常ですか?
新生児が2〜3時間ごとに起きるのは、発達の過程として正常です。授乳後に機嫌よく過ごしていて体重が順調に増えていれば、心配はいりません。
ただし、常にぐったりしている・哺乳力が弱い・呼吸に異常があるといった場合は、早めにかかりつけ医に相談してください。
Q3. パパの寝かしつけだと泣いて寝ません。
最初はママの声やにおいに安心感を持つ赤ちゃんが多いですが、パパとの寝かしつけを日常的に続けることで慣れていきます。ポイントは「ママがそばにいない状態で完結させる」こと。ママが隣にいると赤ちゃんがママを求めてしまうので、パパ担当の日はママが別の部屋にいるほうがスムーズです。
Q4. おくるみはいつまで使っていい?
寝返りが始まる前(生後3〜4ヶ月ごろ)までが目安です。寝返りができるようになると、おくるみで腕が固定された状態ではうつぶせから戻れず窒息のリスクがあります。寝返りの兆候が見えたら、腕を出せるタイプのスリーパーに移行しましょう。
Q5. 添い寝はやめた方がいいですか?
添い寝にはメリット(安心感、授乳のしやすさ)とリスク(SIDS、窒息)の両面があります。厚生労働省は「なるべく赤ちゃん用の寝具で寝かせること」を推奨しています。やむを得ず添い寝する場合は、柔らかい寝具を避け、掛け布団の巻き込みに注意し、保護者が飲酒・服薬していない状態で行うなど安全対策を徹底してください。
こんなときは受診を — 相談目安チェックリスト

寝かしつけの悩みの多くは発達に伴う一時的なものですが、以下に当てはまる場合はかかりつけの小児科に相談しましょう。
すぐに受診すべきケース
- 常にぐったりしていて反応が鈍い
- 呼吸に異常がある(いびき、無呼吸、陥没呼吸)
- 泣き方がいつもと明らかに違う(甲高い泣き声が長時間続く)
- 嘔吐や発熱を伴う
1〜2週間様子を見てから相談するケース
- 月齢に合った寝かしつけを試しても、毎日1時間以上かかる状態が1ヶ月以上続く
- 夜泣きが1ヶ月以上改善しない
- 日中の機嫌が著しく悪い状態が続く
- 入眠時に繰り返しのけいれん様の動きがある
大切なのは、「いつもと違う」というあなたの直感を信じることです。 ネットの情報だけで判断せず、お子さんを直接診てくれるかかりつけ医を頼ってください。
まとめ — 赤ちゃんの寝かしつけで大切な7つのこと

赤ちゃんの寝かしつけに「唯一の正解」はありません。お子さんの月齢や性格、家庭の状況に合わせて、無理なく続けられる方法を見つけていくのが一番です。
この記事のポイントを振り返りましょう。
- 入眠儀式が最強の味方 — 毎日同じ流れを繰り返すことで、赤ちゃんが「寝る時間」を学習する
- 月齢に合った方法を選ぶ — 新生児はおくるみと抱っこ、3ヶ月以降はルーティン導入、6ヶ月以降は安心アイテム
- 眠いサインを見逃さない — 過疲労に入る前に寝かしつけを開始する
- 環境を整える — 暗さ・静かさ・室温を整え、就寝前のブルーライトを避ける
- 安全面を最優先に — 仰向け寝、硬めの敷布団、スリーパーの活用
- 誤解に惑わされない — 「抱っこはクセになる」「昼間起こせば夜寝る」は逆効果になることも
- 迷ったら受診 — 「いつもと違う」という直感を大事に、かかりつけ医に相談
寝かしつけがうまくいかない夜は、本当につらいですよね。でも、必ず楽になる時期が来ます。
今夜できることをひとつだけ試してみてください。そして、保護者自身が休息を取ることも忘れずに。つらいときは、パートナーや家族、地域の子育て支援窓口に遠慮なく頼ってくださいね。