本文へスキップ
子供の成長・発達 執筆:fujiki

子どもに友だちができない?年齢で変わる遊びの形と関わり方

この記事の主な参照ソース

送迎の時間に園庭をのぞくと、他の子はかたまって走り回っているのに、うちの子は砂場で1人で穴を掘っている。

「誰と遊んだ?」と聞くと「わかんない」。名前が出てこない。

……この胸のざわつき、経験ありませんか。わたしも「園で1人なんじゃないか」と思うと、迎えのたびに園庭を目で探していました。

ただ、1人で遊んでいることと、友だちがいないことは同じではありません。 遊びの形は年齢によって変わるものだからです。

保育所保育指針と幼稚園教育要領が示している発達の見方をもとに、どこまでが順序で、どこから相談なのかを整理します。


遊びの形は年齢で変わる

遊びの形が変わる過程を4段階のタイムラインで示した図解。「①1人で遊ぶ」「②近くで同じ遊びをする(並行遊び)」「③やりとりのある遊び」「④役割を決めた協同遊び」...

遊びの形は、段階を追って変わっていきます。

遊びの形 年齢の目安 様子
1人で遊ぶ 〜2歳ごろ 自分の関心のあるものに集中する
近くで同じ遊びをする(並行遊び) 2〜3歳ごろ 隣で同じことをするが、やりとりは少ない
やりとりのある遊び 3〜4歳ごろ ものの貸し借り、簡単な会話が生まれる
役割のある協同遊び 4〜5歳ごろ 「お母さん役」「運転手役」など役割を分ける

注目したいのは、砂場で1人で穴を掘っている姿が「並行遊び」の可能性があるということです。隣に他の子がいて、同じように掘っている。会話はない。この形は、発達の途中として自然な姿です。

保育所保育指針解説は、3歳以上児について、個々の成長と子ども同士の関わりや協同的な活動が促されるよう配慮することを示しています。「協同的な活動」が育っていく過程にあるという前提が置かれているわけです。

また、進級で環境が変わったときや、家庭から初めて離れるときには、一人一人の状態に応じた丁寧な関わりが必要という記述もあります。時期によって関わりが変わることも前提になっています。


指針が示す「人間関係」の育て方

人間関係の領域のねらいを3つのカードで示した図解。「①自立心を育てる」「②人と関わる力を養う」「③喜びや悲しみを共有する」の3ラベル。下部に「友だちの数ではなく...

保育所保育指針・幼稚園教育要領の「人間関係」の領域では、自立心を育て、人と関わる力を養うという方向が示されています。他の人と共に生活する中で、身近な人に親しみ、支え合う関係を育てるという整理です。

そして幼稚園教育要領の「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」には、協同性や道徳性・規範意識の芽生え、社会生活との関わりが含まれています。

ここがポイントなんですが、指針・要領のどちらも「友だちの人数」を目標に置いていません。 育てたいのは関わる力です。

よくある心配 指針・要領が見ているもの
友だちの人数が少ない 人と関わる力が育っているか
特定の子と遊ばない 自立心が育っているか
誘われるのを待っている 喜びや悲しみを共有できているか
グループに入らない 自分を発揮できる場があるか

この見方に切り替えると、「1人でいる時間があること」自体は問題として扱われないことが分かります。問題になるのは、関わりたいのに関われず本人が困っている場合です。


家庭でできる関わり

家庭での関わり方を4つのカードで示した図解。「①誰と遊んだかを聞かない」「②遊びの中身を聞く」「③家で1対1の遊びを充実させる」「④成功体験を作れる場を1つ持つ...

家でできることを4つに絞ります。

1. 「誰と遊んだ?」を聞かない この質問は答えにくく、答えられないと本人が「言えないこと」として意識します。「今日は何して遊んだ?」に変えると出てくることがあります。

2. 遊びの中身を聞く 「砂場で何を作ったの?」「どこまで掘れた?」。中身を聞かれると話しやすくなります。人ではなく活動を聞くのがコツです。

3. 家での1対1の遊びを充実させる 集団での関わりの土台は、大人との1対1のやりとりで育つ部分があります。10分でいいので、子どものやりたい遊びに大人が付き合う時間を作ります。

4. 本人が力を発揮できる場を1つ持つ 園で目立たなくても、家や習い事、親戚の集まりなど、「これは自分ができる」と思える場が1つあると支えになります。

我が家では「誰と遊んだ?」をやめて「何して遊んだ?」に変えただけで、話す量が明らかに増えました。人の名前を出す会話は、本人にとってハードルが高いのかもしれません。

その結果、実は毎日同じ子と砂場にいることが分かりました。名前を覚えていなかっただけだったんですよね。


園への聞き方

園への聞き方の3ステップを示した図解。「①事実を聞く(誰と、どの場面で)」→「②困っている場面を聞く」→「③園でできる配慮を相談する」。各ステップに質問例の日本...

いちばん確実な情報源は、園の先生です。ただし聞き方によって得られる情報が変わります。

避けたい聞き方 「うちの子、友だちいますか?」——これは評価を求める質問なので、「大丈夫ですよ」で終わることが多いです。

得られる聞き方

聞くこと 質問の形
事実 「自由遊びのとき、だれの近くにいることが多いですか?」
場面 「集まりのときと自由遊びのとき、どちらが落ち着いていますか?」
本人の様子 「困っていそうな場面はありますか?」
変化 「4月と比べて変わったところはありますか?」
園の配慮 「園でしていただいている関わりはありますか?」

「困っていそうな場面はありますか?」が、いちばん実のある質問です。本人が困っていなければ、様子を見る判断ができます。困っている場面があるなら、それが具体的な相談の入口になります。

送迎の立ち話では時間が足りないことがあるので、個人面談の機会に聞くか、連絡帳で「面談で相談したい」と伝えておくと落ち着いて話せます。


よくある誤解とNGパターン

友だち関係の心配へのNG5例を「×」アイコンで並べ、右に「○」の対応を対比配置した図解。「友だちの人数で判断」「本人の前で心配を話す」「無理に遊びに誘わせる」「...

1. 友だちの人数で判断する 指針・要領が育てたいとしているのは、人数ではなく人と関わる力です。

2. 本人の前で心配を話す 「この子、お友だちがいなくて」を本人の前で言うと、自分についての認識になります。

3. 無理に遊びに誘わせる 「〇〇ちゃんに『入れて』って言ってきなさい」は、本人の準備が整っていないと負担になります。まず遊びの中身を聞くところからです。

4. 他の子と比べる 遊びの形が育つ時期には幅があります。並行遊びの段階は自然な姿です。

5. 毎日「誰と遊んだ?」と聞く 答えられないと、本人が「答えられないこと」として意識します。活動を聞くほうが会話が続きます。

6. 園に「友だちいますか?」と評価を求める 「大丈夫ですよ」で終わります。事実と困っている場面を聞くほうが情報が得られます。


こんなときは相談を

相談を検討する目安を赤枠で7項目並べた図解。「本人が『友だちがいない』とつらさを訴える」「登園を拒む」「表情が乏しくなった」「言葉のやりとりが年齢に比べて少ない...

次のような場合は、園の先生や健診、小児科に相談してください。

  • 本人が「友だちがいない」とつらさを訴えている
  • 登園を拒むようになった
  • 表情が乏しくなった、笑わなくなった
  • 言葉のやりとりが年齢に比べて少ない
  • 特定の子から嫌なことをされている様子がある
  • 園から気になる点として指摘があった
  • 食事や睡眠、排泄に変化が出ている

本人がつらさを訴えている場合は、それ自体が相談の理由になります。 「1人でも平気な子」と「1人でつらい子」は違うので、本人の言葉を優先してください。

言葉のやりとりが少ないことが気になる場合は、3歳児健康診査や就学前の健診で相談できます。こども家庭庁の「乳幼児健康診査 身体診察マニュアル」にも発達の確認項目が整理されています。

特定の子から嫌なことをされている場合は、園に事実を伝えて対応を相談するのが先です。子ども同士で解決させようとせず、大人が入る場面です。


よくある質問(FAQ)

Q1. 3歳で1人遊びが多いのは問題ですか?

遊びの形は年齢によって変わり、2〜3歳ごろは近くで同じ遊びをする並行遊びが見られる時期です。隣に他の子がいて同じ遊びをしているなら、順序として自然な姿です。本人が困っているかどうかで判断してください。

Q2. 園に「友だちいますか」と聞いても「大丈夫」と言われます。

評価を求める質問には「大丈夫」と返りやすくなります。「自由遊びのとき、だれの近くにいることが多いですか」「困っていそうな場面はありますか」のように、事実と場面を聞くと情報が得られます。

Q3. 「誰と遊んだ?」に答えてくれません。

人の名前を出す会話はハードルが高いことがあります。「今日は何して遊んだ?」のように活動を聞くと話しやすくなります。中身を聞いていくうちに名前が出てくることもあります。

Q4. 友だちを作らせるために習い事を始めたほうがいいですか?

人数を増やすことより、本人が力を発揮できる場が1つあることのほうが支えになります。習い事はその1つになりえますが、集団に入れることが目的になると負担になる場合もあります。

Q5. 保育所保育指針では友だち関係をどう扱っていますか?

「人間関係」の領域で、自立心を育て、人と関わる力を養うという方向が示されています。3歳以上児については、個々の成長と子ども同士の関わりや協同的な活動が促されるよう配慮することが示されています。友だちの人数は目標として置かれていません。

Q6. 進級で友だち関係が変わって不安定になりました。

保育所保育指針解説には、進級で環境が変わったときや家庭から初めて離れるときには一人一人の状態に応じた丁寧な関わりが必要という記述があります。時期による変動は前提とされているので、園と情報を共有しながら様子を見てください。


まとめ

  • 遊びの形は1人 → 並行遊び → やりとり → 協同遊びと変わっていく
  • 砂場で1人に見えても、並行遊びの段階である可能性がある
  • 保育所保育指針・幼稚園教育要領が育てたいのは人と関わる力。友だちの人数は目標に置かれていない
  • 3歳以上児では協同的な活動が促されるよう配慮するという前提がある
  • 家では「誰と遊んだ」ではなく「何して遊んだ」を聞く
  • 園には評価ではなく、事実と困っている場面を聞く
  • 本人がつらさを訴えている場合は、それ自体が相談の理由
  • 特定の子から嫌なことをされている場合は、大人が入る

「1人でいること」と「1人でつらいこと」は別です。本人の言葉を先に聞いてみてください。

※本記事は発達に関する一般的な整理です。気になる点がある場合は園や健診、医療機関に相談してください


参考文献

  1. 保育所保育指針解説 3歳以上児の保育に関するねらい及び内容(こども家庭庁)
  2. 保育所保育指針解説 第2章 保育の内容(こども家庭庁)
  3. 幼稚園教育要領(平成29年3月/文部科学省)
  4. 幼稚園教育要領 第2章 ねらい及び内容(文部科学省)
  5. 幼稚園教育要領(ポイント、本文、解説等/文部科学省)
  6. 改訂2版 乳幼児健康診査 身体診察マニュアル(こども家庭庁)
  7. 母子保健(こども家庭庁)

Copyright© 子供の名付け診断コラム , 2026 AllRights Reserved Powered by AFFINGER4.