この記事の主な参照ソース
- 令和3年社会生活基本調査(総務省統計局) — 共働き世帯・子育て世帯の家事関連時間の実態データ
- 令和2年版 男女共同参画白書(内閣府男女共同参画局) — 家事・育児が妻に偏る背景と両立の課題
- 共働き夫婦の「家事」に関する意識調査(大和ハウス工業) — 「名もなき家事」と夫婦の認識ギャップ
- 家電に関する調査(ネオマーケティング) — 時短家電の所有者が感じた時間の余裕
「仕事から帰って、ごはん・お風呂・寝かしつけ…気づいたら家事は何も進んでいない」「休みの日も家事に追われて、自分の時間なんてゼロ」——共働きで子育て中の家庭で、こんな毎日になっていませんか?
実は、この「時間が足りない」感覚には、はっきりした裏付けがあります。総務省の令和3年社会生活基本調査によると、6歳未満の子どもがいる夫婦の1日あたりの家事関連時間は、妻が7時間28分、夫が1時間54分。家事関連時間には家事・育児・買い物などが含まれるとはいえ、共働きでもこれだけの時間を家のことに使っているわけです。
でも、時間を増やすことはできません。だからこそ大切なのが、家事そのものを「減らす」「仕組み化する」という発想です。この記事では、データで現状を押さえたうえで、「やめる・減らす・任せる」の仕分けから、名もなき家事の見える化、時短家電、子どもとの家事シェアまで、共働き家庭が今日から試せる時短家事のコツを7つの視点でまとめました。
なぜ共働きの家事は終わらないのか?データで見る現実

まずは「なぜこんなに家事が終わらないのか」を、思い込みではなくデータで確認しておきましょう。ここを押さえると、対策の方向性が見えてきます。
総務省の令和3年社会生活基本調査によると、全年代の共働き世帯の1日あたり家事関連時間は、妻が3時間24分、夫が51分です。共働きであっても、妻の時間が夫を大きく上回っているのが現状なんですよね。
さらに、6歳未満の子どもがいる夫婦になると、その差は一段と大きくなります。
この章の主な根拠: 令和3年社会生活基本調査(総務省統計局)
| 世帯の状況 | 妻の家事関連時間 | 夫の家事関連時間 |
|---|---|---|
| 全年代の共働き世帯 | 3時間24分 | 51分 |
| 6歳未満の子どもがいる夫婦 | 7時間28分 | 1時間54分 |
※1日あたりの平均。家事関連時間は家事・育児・買い物・介護看護の合計(総務省 令和3年社会生活基本調査)
内閣府の令和2年版男女共同参画白書でも、共働きが増えても家事・育児が妻に偏る状況は続いており、その背景として長時間労働や固定的な性別役割分担意識が両立を阻む要因として指摘されています。総務省統計局も、家事関連時間には依然として大きな男女差があると解説しています。
ここがポイントなんですが、この偏りは「どちらかの努力不足」というより、仕組みや意識のズレから生まれているケースが多いということです。だからこそ、精神論ではなく「家事の量を減らす」「分担を見える化する」という具体策が効いてきます。
時短家事の大原則:「やめる・減らす・任せる」で仕分ける

時短のテクニックに入る前に、いちばん大事な考え方をお伝えします。それは、時短家事は「速くやる」ことではなく「やることを減らす」ことから始めるという発想です。
家事を効率化しようとすると、つい「どうすれば速くできるか」を考えがちです。でも、そもそもやらなくていい家事、頻度を落とせる家事は意外とたくさんあります。まずは家事を次の3つに仕分けてみましょう。
家事の「やめる・減らす・任せる」仕分け表
| 仕分け | 考え方 | 具体例 |
|---|---|---|
| やめる | 「本当に必要?」を問い直す | 毎日のアイロンがけ、来客時レベルの掃除、几帳面なたたみ方 |
| 減らす | 頻度・手間・工程を下げる | 掃除は「気になった場所だけ」、洗濯は乾燥まで一気に、食器は最小限に |
| 任せる | 人・家電・サービスに渡す | 食洗機・洗濯乾燥機、パートナー、宅配・ミールキット、家事代行 |
実はこれ、意外と見落としがちなんですが、「やめる」から考えるのがコツです。減らす・任せるはお金や道具が必要なこともありますが、「やめる」はゼロ円で今日からできます。
たとえば「洗濯物はきっちりたたんでしまう」を「下着や靴下は畳まずカゴにポイ」に変えるだけでも、毎日の手間はぐっと軽くなります。完璧を手放すことに罪悪感を持つ必要はありません。家が回っていれば合格、くらいの気持ちでいきましょう。
「名もなき家事」を見える化して夫婦で分担する

家事分担でモヤモヤが生まれる大きな原因が、「名もなき家事」の存在です。料理や掃除のような"名前のある家事"の裏で、名前もつかない小さな作業が山ほど発生しているんですよね。
大和ハウス工業が2017年に20〜40代の共働き夫婦600名を対象に行った意識調査によると、家の仕事30項目のうち18項目で妻の認識が夫より高く、名もなき家事を主に担っているのは妻が86.5%という結果でした。「トイレットペーパーがなくなったら買いに行く」「ゴミ袋を新しくセットする」といった作業は、やっている本人以外には気づかれにくいのが厄介なところです。
まずは家事を「見える化」する
分担を話し合う前に効果的なのが、家事の見える化です。やり方はシンプルです。
- 家事をぜんぶ書き出す — 料理・掃除のような大きな家事だけでなく、名もなき家事も1行ずつ書く
- 今の担当を色分けする — 妻担当・夫担当・共同で色をつけると、偏りが一目でわかる
- 偏りを見て話し合う — 「これ、全部わたしがやってたんだ」に気づくことが第一歩
書き出してみると、想像以上に片方へ偏っていることが多いです。ここで大事なのは、相手を責めるためではなく、「見えていなかった家事を二人で共有する」ためにやること。感謝の言葉を添えながら進めると、話し合いがこじれにくくなります。
「気づいた方がやる」制 vs「担当制」
分担のやり方でよく比較されるのが、この2つです。
| 方式 | メリット | 注意点 |
|---|---|---|
| 気づいた方がやる制 | 柔軟に動ける。急な予定変更に強い | 「気づく人」に負担が集中しやすい。感謝が見えにくい |
| 担当制(役割を固定) | 責任がはっきりする。名もなき家事も割り振れる | 担当が忙しいと回らない。定期的な見直しが必要 |
どちらが正解ということはありません。子どもの年齢や仕事の繁忙期に合わせて、「基本は担当制、ピンチのときは気づいた方がやる」といったハイブリッドにしておくと、無理なく続けやすくなります。大切なのは、一度決めて終わりにせず、ライフスタイルの変化に合わせて見直していくことです。
時短家電で「手放せる家事」を見つける

「やめる・減らす」で家事を絞ったら、次は「任せる」の中でも家電の力を借りるステップです。時短家電は、家事の時間そのものを自分の手から切り離してくれる心強い味方になります。
ネオマーケティングが2017年に共働き夫婦の時短家電所有者545名を対象に行った調査では、食器洗い乾燥機の所有者の90.0%、ロボット掃除機の87.9%、乾燥機付き洗濯機の69.1%が「時間に余裕が生まれた」と回答しています。あくまで所有者の主観的な回答ではありますが、多くの人が効果を実感しているのは心強いデータですよね。
共働きに人気の時短家電3種を比較
| 家電カテゴリ | 任せられる家事 | 目安の価格帯 | 向いている家庭 |
|---|---|---|---|
| 食器洗い乾燥機 | 食器洗い・乾燥 | 数万円〜(据置型)/工事費別(ビルトイン) | 食後の洗い物が苦痛、家族の人数が多い |
| 洗濯乾燥機(ドラム式) | 洗濯〜乾燥・干す手間ゼロ | 十数万円〜 | 洗濯物を干す・取り込む時間がない、花粉や天候に左右されたくない |
| ロボット掃除機 | 床の掃除 | 数万円〜 | 平日に掃除機をかける時間がない、床にものを置かない習慣がある |
※価格帯はあくまで一般的な目安で、機種・時期により幅があります。特定の製品を推奨するものではありません。
家電選びで失敗しないためのコツ
- 一番ストレスな家事から1つずつ — 全部を一度に揃える必要はありません。「洗い物が嫌い」なら食洗機から、というように優先順位をつける
- 設置スペースと工事の要否を先に確認 — 特にビルトイン食洗機やドラム式は設置条件のチェックが必須
- 「時間が浮く」効果を家族で共有する — 浮いた時間を何に使うかを決めておくと、導入の満足度が上がりやすい
家電は「高い買い物」に見えても、毎日の家事時間を年単位で減らせると考えると、投資と捉える家庭も少なくありません。まずは一番の悩みどころから検討してみてください。
料理・買い物・洗濯・掃除の時短アイデア集

家電に頼らなくても、日々の工夫で減らせる家事はたくさんあります。ここでは、共働き家庭で取り入れやすい時短アイデアをカテゴリ別に紹介します。全部やろうとせず、「これならできそう」を1〜2個から始めてみてください。
料理の時短アイデア
- まとめ調理・作り置き — 週末に多めに作って小分け冷凍。平日は温めるだけ
- ミールキット・カット野菜を活用 — 献立を考える負担ごと外注できる
- 「一汁一菜」でOKと決める — 品数を増やさない。ごはん+具だくさん味噌汁で十分な日があっていい
- 同じ調理器具で完結 — 炒める・煮るを1つの鍋で。洗い物を減らす
買い物の時短アイデア
- ネットスーパー・食材宅配 — 買い物に行く時間と「重い荷物」を丸ごとカット
- 定番品はまとめ買い&定期便 — おむつ・洗剤など切らせないものは自動で届く仕組みに
- 買い物リストは共有アプリで — 「あれ買った?」のやり取りを減らせる
洗濯・掃除の時短アイデア
- 洗濯は「畳まない」を検討 — 家族別のカゴに放り込む、ハンガーのままクローゼットへ
- 掃除は「ついで」と「ながら」で — お風呂上がりに浴室をサッと、歯磨き中に洗面台を拭く
- 床にものを置かない習慣 — 掃除のハードルが一気に下がる。ロボット掃除機とも相性がいい
こうしたアイデアは、一つひとつの効果は小さく見えても、毎日積み重なると大きな余白になります。無理なく続けられそうなものから、こっそり取り入れてみましょう。
年齢別・子どもと一緒にできる家事シェア

時短家事というと大人の工夫に目が向きがちですが、子どもと一緒に家事をする「家事シェア」も、長い目で見ると大きな時短につながります。もちろん最初は親が手伝う分だけ時間がかかりますが、少しずつ「自分でできること」が増えていきます。
家事を「お手伝い」として楽しく取り入れると、子どもの自立心も育ちます。年齢に合わせて、無理のない範囲でお願いしてみましょう。
年齢別・子どもにお願いできる家事の目安
| 年齢の目安 | お願いできる家事の例 | 親のサポート |
|---|---|---|
| 2〜3歳ごろ | おもちゃを片付ける、タオルを運ぶ、ゴミをゴミ箱へ | 「これ運べる?」と一緒に。できたらしっかりほめる |
| 4〜6歳ごろ | 食器を並べる、洗濯物をたたむ、植物の水やり | やり方を見せる。仕上げは親がフォロー |
| 小学生ごろ | 配膳・下げる、簡単な調理、ゴミ出し、お風呂洗い | 任せる範囲を少しずつ広げる。安全面だけ見守る |
※あくまで一般的な目安です。発達には個人差があるので、お子さんの様子に合わせて調整してください。
ここで大切なのは、「完璧を求めない」ことです。たたみ方が雑でも、こぼしても、「やってくれてありがとう」が続けるコツ。親がやり直したくなる気持ちをぐっとこらえるのも、立派な時短の一部だったりします。家事シェアは時短であると同時に、家族みんなで家を回すという意識を育てる時間でもあります。
よくある誤解・逆効果になるNG時短

「時短しよう!」と意気込んだのに、かえって疲れてしまうパターンもあります。ありがちな誤解を確認しておきましょう。
NG1. 最初から完璧な家事ルールを作ろうとする
分刻みのスケジュールや細かすぎる分担表を作っても、子どもの体調不良や残業で簡単に崩れます。「最低限これだけ回ればOK」のゆるいルールから始めるほうが、結局は長続きします。
NG2. 睡眠時間を削って家事を片付ける
「早起きして全部やる」「夜中まで家事をする」は、睡眠不足で日中のパフォーマンスが落ち、心身の負担にもつながります。時短の目的は「家事を減らして休む時間を作ること」。睡眠を削るのは本末転倒です。
NG3. 全部を一人で抱え込む
総務省のデータが示すように、家事は片方に偏りがちです。でも「言わなくても察してほしい」は、なかなか伝わりません。具体的にお願いする・見える化して共有することで、抱え込みは減らしやすくなります。
NG4. 高い家電を勢いで一気に揃える
時短家電は便利ですが、生活に合わないものを勢いで買うと使わなくなってしまいます。一番ストレスな家事から1つずつ、設置場所や使い方を確認して選びましょう。
NG5. SNSの「丁寧な暮らし」と比べてしまう
SNSで見かける完璧な作り置きやピカピカの部屋は、その人の環境だからこそ。自分の家庭に合ったペースで十分です。比べて落ち込むより、「うちはうち」で気楽にいきましょう。
共働きの時短家事でよくある質問(FAQ)
Q1. 何から手をつければいいか分かりません。まず何をすべき?
まずは「一番イヤな家事」を1つだけ選んで、やめる・減らす・任せるのどれかに当てはめることから始めてみてください。全部を変えようとすると挫折しがちです。たとえば「食器洗いが苦痛」なら食洗機を検討する、「献立を考えるのがしんどい」ならミールキットを試す、といった具合に、悩みの大きいところから1点突破するのがおすすめです。
Q2. パートナーが家事に協力してくれません
「もっと手伝って」という漠然としたお願いは、なかなか動いてもらえないことが多いです。「保育園グッズの記名をお願いできる?」のように、具体的な作業を1つ指名するほうが動いてもらいやすくなります。総務省の調査でも共働き世帯の家事は妻に偏りがちなので、家事の見える化リストを見せながら「これ全部やってたんだ」と現状を共有するのも一つの方法です。
Q3. 時短家電は本当に元が取れますか?
金額だけ見ると高く感じますが、毎日の家事時間を長期的に減らせると考えて「投資」と捉える家庭もあります。ネオマーケティングの2017年の調査では、食洗機の所有者の9割が「時間に余裕が生まれた」と回答しています。ただし体感には個人差があるので、一番ストレスな家事から1台ずつ、生活に合うか確認しながら導入するのが失敗しにくいです。
Q4. 子どもがまだ小さくて、家事シェアは難しいのでは?
2〜3歳ごろから「おもちゃを片付ける」「タオルを運ぶ」など、簡単なことならお願いできます。最初は親が手伝う分だけ時間がかかりますが、「自分でできた」の積み重ねが、数年後の大きな時短につながります。完璧を求めず、「ありがとう」を伝えながら少しずつ広げていきましょう。
Q5. 時短を頑張っているのに、なぜか疲れが取れません
時短の目的が「もっと家事を詰め込む」ことになっていないか、一度立ち止まってみてください。浮いた時間は、次の家事ではなく休息や自分の時間に使うのが本来の狙いです。それでも慢性的な疲れや気分の落ち込みが続く場合は、家事の問題だけとは限りません。無理をせず、次の章の相談先も参考にしてください。
Q6. 家事代行サービスは使ってもいいの?
もちろんです。家事代行やベビーシッター、自治体のファミリー・サポート・センターなどは、共働き家庭の心強い選択肢です。「外注は甘え」と感じる必要はありません。時間とお金のバランスを見て、頼れるものは頼る——これも立派な時短家事の一つです。
まとめ — 時短家事は「頑張る」より「減らす・仕組み化する」
共働きの時短家事は、「速くこなす」ことよりも、家事そのものを減らし、二人で回る仕組みを作ることがカギです。
今日から試せる7つの視点:
- データで現状を知る — 家事の偏りは努力不足ではなく仕組みのズレから生まれる
- 「やめる・減らす・任せる」で仕分ける — まずゼロ円でできる「やめる」から
- 名もなき家事を見える化する — 書き出して夫婦で共有し、分担を話し合う
- 時短家電に任せる — 一番ストレスな家事から1台ずつ
- カテゴリ別の時短アイデア — 料理・買い物・洗濯・掃除を1つずつラクに
- 子どもと家事シェア — 完璧を求めず「ありがとう」で自立を育てる
- NG時短を避ける — 完璧主義・睡眠削り・抱え込みは逆効果
困ったときの相談先
- 自治体の子育て支援センター/ファミリー・サポート・センター — 家事・育児の負担が重いときの一時的なサポートや相談窓口
- 家事代行・ベビーシッターサービス — 時間をお金で買う選択肢。まずはスポット利用から
- かかりつけ医・地域の相談窓口 — 疲れや気分の落ち込みが続くときは、我慢せず専門家に相談を
時短家事は、家族みんなが笑顔で過ごすための手段です。完璧を目指すより、まずは今夜、「一番イヤな家事」を1つ手放すことから始めてみてください。小さな一歩が、明日の暮らしをぐっとラクにしてくれるはずです。
※本記事は一般的な時短家事・家事分担の情報をまとめたものです。心身の不調や強い疲労が続く場合は、無理をせず医師や地域の相談窓口にご相談ください。