「そろそろストローマグ、練習した方がいいのかな」「コップで飲ませたら、口の横からダーッとこぼれてびっくり」。離乳食が始まると、飲み物の練習も気になってきますよね。まわりの子ができ始めると、なおさら焦ってしまうものです。
でも安心してください。コップ飲みやストロー飲みは、いきなり完璧を目指すものではなく、「スパウト」「ストロー」「コップ」と段階を踏んで少しずつ慣らしていくのが基本です。順番も、進むスピードも、赤ちゃんによってかなり違います。
この記事では、いつから・どの順番で・どう教えるかを月齢別に整理しつつ、こぼす・むせるといったつまずきへの対策、マグやコップの選び方、やりがちな失敗までまとめました。「うちの子、まだできない」と焦る前に、できることから一緒に見ていきましょう。
この記事の主な参照ソース
- 赤ちゃんのコップ飲みはいつから練習させる?|べびちぇる by リッチェル — 開始時期・進め方・トラブル対処
- 赤ちゃんのストロー飲みの練習のやり方|べびちぇる by リッチェル — ストロー練習の具体ステップ
- 赤ちゃんのコップ飲み・ストロー飲みの練習は?|ピジョンインフォ — 練習の考え方と口の動き
- LakuMug(ラクマグ)|コンビ公式ブランドストア — マグの対象月齢・構造
- 授乳・離乳の支援ガイド(2019年改定版)|厚生労働省 — 離乳と摂食機能の発達の目安
いつから始める?コップ飲み・ストロー練習の全体像
結論から言うと、練習を始める目安は離乳食がスタートしたあと(生後5〜6ヶ月頃)から。ただし「この月齢になったら必ず」というものではなく、個人差がとても大きい分野です。
飲み物の練習は、母乳やミルクとはまったく違う口の動きを覚えていく作業です。厚生労働省の「授乳・離乳の支援ガイド」でも、離乳は歯の生え方や摂食機能の発達に合わせて少しずつ進めるものとされていて、飲み方の練習も同じように、発達のペースに沿って焦らず進めるのが基本になります。
マグメーカーのリッチェルは、国立成育医療研究センターの「乳幼児健康診査 身体診察マニュアル」で、9〜10ヶ月健診の項目にコップ飲み練習の開始が挙げられていると紹介しています。習得までの期間は、練習を始めてからおよそ1〜2週間ほどでできるようになる子が多く、11ヶ月〜1歳半頃までに上手にコップで飲めるようになるのが一つの目安とされています。

まずは全体像を、月齢の目安で押さえておきましょう。
| 月齢の目安 | 練習ステップ | この時期のねらい |
|---|---|---|
| 5〜6ヶ月頃(離乳食開始後) | スプーン・スパウトで慣れる | 母乳・ミルク以外の味と、口に入れて飲み込む感覚に慣れる |
| 7〜9ヶ月頃 | ストロー飲みに挑戦 | 唇でストローをとらえ、吸って飲む動きを覚える |
| 9〜11ヶ月頃 | コップ飲みを本格化 | 唇でコップのふちをとらえ、少量を飲む |
| 1歳〜1歳半頃 | 自分でコップを持って飲む | 自分で傾けて、こぼさず飲み切る |
この表はあくまで目安です。月齢が前後しても問題ありませんし、ステップを飛ばしてできる子もいます。「表より遅い=発達が遅れている」ではないので、比べすぎないでくださいね。
ストローとコップ、どっちが先?
「スパウト→ストロー→コップ」と書きましたが、実はストローとコップはどちらから始めても大丈夫です。専門家の間でも見解が分かれていて、それぞれに理由があります。
- コップを先に、という考え方:ストロー飲みは舌を使う動きが中心のため、噛み合わせや歯並びへの影響を心配する声があります。
- ストローを先に、という考え方:赤ちゃんにとって覚えやすく、外出時にも使いやすいという実用面のメリットがあります。
どちらが正解というより、赤ちゃんの様子とご家庭の都合に合わせて選べばOK。両方を並行して練習して、できそうな方から伸ばしていくのも一つの手です。
スパウト→ストロー→コップ|ステップ別の教え方
ここからは、各ステップの具体的な進め方です。共通のコツは、常温の飲み慣れた飲み物を、少量から、機嫌のいいときに。飲み物は水や麦茶などが向いています。ピジョンインフォによると、母乳やミルクはコップやストローだと口の動きが違ってこぼしやすく、必要量を飲めないこともあるため、練習用の飲み物には向いていません。

ステップ1|スパウトで「飲み込む」に慣れる
スパウトは、乳首に近いやわらかい飲み口のパーツ。傾けたり少し吸ったりすると飲み物が出てくるので、哺乳瓶からの移行がスムーズです。まずはここで「自分の口で飲み物を受けて飲み込む」感覚に慣れます。
ただし、スパウトは必ず通らなければいけない関門ではありません。スパウトを飛ばして、いきなりストローやコップに進む子も珍しくないので、うまく使えなければ次のステップに移って大丈夫です。
ステップ2|ストロー飲みの教え方
ストロー飲みは「唇でストローをとらえて、口をすぼめて吸い上げる」という、ちょっと難しい動きです。最初は太めのストローから始めて、慣れてきたら細いストローへステップアップします。リッチェルは、ストロー練習を次の5段階で紹介しています。
- スパウトマグから始める:吸って飲む感覚に慣れ、ストローへ移りやすくする。
- ストローそのものに慣れさせる:形や感触に慣れ、「吸うと飲み物が来る」と気づかせる。
- 紙パック飲料で試す:容器をそっと押すと飲み物が上がってくるので、「吸えた!」という偶然の成功体験をつくりやすい。
- スポイトのように練習する:ストローに飲み物を入れ、片端を指でふさいで口へ。「吸ったら出す」を繰り返し、吸う感覚をつかませる。
- ストローマグで仕上げる:空の状態から始めて中身を理解させ、実際に吸わせていく。
なかでも紙パック作戦は、初めての「吸えた」を引き出しやすい定番テクニック。押す力を加減して、勢いよく出しすぎないように気をつけてあげてください。
ステップ3|コップ飲みの教え方
コップ飲みは、まず唇でコップのふちをとらえるところから。最初は大人がコップに手を添えて、少しずつ傾けて飲ませてあげます。入れる量はスプーン1〜2杯程度のごく少量からスタートすると、こぼれても被害が小さく、赤ちゃんも「飲めた」を感じやすくなります。
こぼれにくいフタつきのトレーニングコップから入り、慣れてきたら普通の小さなコップへ。ピジョンインフォによると、自分でコップを傾けて飲めるようになるのは1歳半頃が目安とされています。焦らず、この時期までにできればじゅうぶんくらいの気持ちで構えておきましょう。
こぼす・むせる・噛む|トラブル別の対策
練習中のお悩みは、だいたいパターンが決まっています。ここがポイントなんですが、多くは「やり方をちょっと変える」「1段階戻す」で解決します。トラブル別に対策を整理しました。

- こぼす:入れる量を減らし、こぼれにくいトレーニングマグを使いましょう。食事用エプロンをつけておけば、後片づけの負担もぐっと減ります。
- むせる:一度に口へ入る量が多いサインかも。飲み口の穴が小さいマグを選び、少量ずつに。飲むときは必ず座らせ、落ち着いた姿勢で。
- 吸えない(ストロー):紙パックやスポイト法で「吸えた」体験をつくり、それでも難しければスパウトなど前のステップへ戻します。
- 噛む・遊ぶ:歯がむずがゆい「歯ぐずり」のときは、歯固めを渡して口を落ち着かせて。遊んでしまうのも練習の過程なので、少量・短時間で切り上げます。
- 嫌がる:親が実際に飲んで見せると、まねしたくなる子は多いです。少しの成功もしっかり褒めて、楽しい雰囲気をキープしましょう。
うまくいかない日が続いても、いったん練習をお休みして数日後に再開すると、あっさりできることもあります。「今日はダメでも明日はいける」くらいの気長さが、結局いちばんの近道です。
マグ・コップの選び方|種類別の比較
道具選びは、練習のしやすさを大きく左右します。飲み口のタイプと対象月齢を目安に、今の赤ちゃんに合うものを選びましょう。

| タイプ | 飲み口 | 目安時期 | 特徴・向いている子 |
|---|---|---|---|
| スパウトマグ | やわらかい飲み口(乳首に近い) | 5〜7ヶ月頃 | 哺乳瓶からの移行に。傾けて飲む練習向き |
| ストローマグ | ストロー | 6〜8ヶ月頃 | 吸う動きの練習に。外出時に持ち運びやすい |
| トレーニングコップ | フタ+スリット/2wayフタ | 5〜8ヶ月頃 | こぼれにくく、コップ飲みの入口に最適 |
| 普通の小さなコップ | 広い飲み口 | 8ヶ月頃〜 | 仕上げの練習に。少量から始める |
※目安時期はメーカーや製品で異なります。実際の対象月齢は各製品の表示を確認してください。
たとえばコンビの「ラクマグ」シリーズは、はじめてストローが4カ月頃から、はじめてコップが5カ月頃から、漏れないストローが6カ月頃からと、成長に合わせて飲み口を付け替えられる設計になっています。「逆さにしてもこぼれない」コップ形状や、ストローからの「ふき出し防止弁」など、こぼれ・漏れ対策が工夫されているのが特長です。
選ぶときは、月齢のほかに「洗いやすさ(パーツが少ない・分解しやすい)」もチェックポイント。毎日何度も洗うものなので、お手入れがラクだと練習が続けやすくなります。
やりがちな失敗とNG例|安全と受診の目安
最後に、つまずきやすいポイントと安全面の注意です。よかれと思ってやったことが、逆にハードルを上げていることもあります。

よくある失敗3つ
- 飲み物を満タンで渡す:こぼれる量が増えるうえ、重くて扱いにくくなります。まずはスプーン1〜2杯のごく少量から。
- 段階を飛ばして普通のコップから:いきなりは難易度が高すぎます。こぼれにくいトレーニングマグやフタつきコップから入りましょう。
- できるまで無理強いする:長時間続けたり、嫌がるのに繰り返したりすると、飲み物の練習自体が嫌いになりがち。機嫌のいいときに短時間で、が鉄則です。
安全のために気をつけたいこと
飲み物の練習は誤嚥(食べ物や飲み物が気管に入ること)のリスクとも隣り合わせです。次の点を守りましょう。
- 必ず座った姿勢で練習する。歩きながら・寝転んだまま飲ませない。
- 練習中は大人がそばで見守る。
- 一度にたくさん口に入らないよう、飲み口や量を調整する。
こんなときは相談を
- 毎回のようにひどくむせる、飲み込みにくそうにしている
- せき込みや顔色の変化をともなうむせがある
- 1歳半を過ぎても飲み物・食べ物がうまくとれない状態が続く
こうしたときは、乳幼児健診の機会や、小児科・小児歯科で相談してみてください。飲み方の発達は個人差が大きいものですが、気になることは専門家に見てもらうと安心です。
※本記事は医療アドバイスではありません。気になる症状がある場合は必ず医師に相談してください
よくある質問(FAQ)

Q1. スパウトの練習は必ず必要ですか?
必須ではありません。スパウトを飛ばして、いきなりストローやコップに進める子もいます。うまく使えなければ、次のステップに移って問題ありません。
Q2. ストローとコップ、どちらから練習すべき?
どちらからでも大丈夫です。噛み合わせを気にしてコップを先にする考え方も、覚えやすさからストローを先にする考え方もあります。赤ちゃんの様子とご家庭の都合で選びましょう。
Q3. ストローがなかなか吸えません。
紙パック飲料を軽く押して「吸えた」体験をつくったり、ストローに飲み物を入れて片端を指でふさぐスポイト法を試したりしてみてください。難しければスパウトなど前の段階に戻すのも有効です。
Q4. 練習には何を飲ませればいいですか?
水や麦茶など、常温で飲み慣れたものが向いています。母乳やミルクはコップ・ストローだと口の動きが違ってこぼしやすく、必要量を飲みにくいため、練習用にはおすすめされていません。
Q5. コップを噛んだり遊んだりしてしまいます。
歯がむずがゆい歯ぐずりのときは歯固めを渡してあげましょう。遊んでしまうのも学びの過程なので、少量・短時間で切り上げ、できたところを褒めてあげてください。
Q6. 1歳を過ぎてもうまく飲めません。大丈夫でしょうか?
飲み方の習得は個人差が大きく、1歳半頃までにできるようになる子が多いとされています。焦らず続けて大丈夫ですが、気になるときは健診や小児科で相談すると安心です。
まとめ
赤ちゃんのコップ飲み・ストロー飲みは、離乳食が始まったあとから、「スパウト」「ストロー」「コップ」と段階を踏んで少しずつ進めていくのが基本です。順番は前後してもよく、ストローとコップはどちらから始めてもかまいません。
うまくいかないときは、量を減らす・こぼれにくいマグを使う・1段階戻す、といった小さな調整で解決することがほとんど。常温の飲み慣れた飲み物を、少量から、機嫌のいいときに——このシンプルな原則を押さえておけば、練習はぐっとラクになります。
そして何より大切なのは、まわりの子と比べすぎないこと。飲み方の発達には大きな個人差があります。焦らずその子のペースに合わせて、「飲めたね!」の笑顔を一緒に積み重ねていきましょう。